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ハワイアンカルチャーを反映した、サルベージパブリック

「このブランドは、さまざまなブランドにおいてサーフィンが復活しつつあるのを見聞きしてきたことから誕生しました。ハワイと関係ない場所で復活しかけているわけでも、広い範囲でそうした影響が見られるわけでもありませんが」とセラオさんは話す。
そのため、彼らは、家族や友人とともにサーフィンを学ぶことはもちろん、日常生活のかなり複雑な問題にいたるまで、自分たちの実経験をブランドに反映させようとしている。「ハワイには、厄介で面倒、複雑で古くさい、という印象があります。休暇を終えたあともこの地で過ごせば、すぐにそのことに気付くでしょう」とスーザさんは続ける。

こうして誕生したサルベージパブリックのコレクションには、白と黒の配色で、水中ではかなり動きやすく作られた膝上丈のボードショーツや、地元のスラングをデザイン性に優れたコンセプトに変え、文字をユニークに配置したグラフィックTシャツ、先住民族をのけ者にするお約束の言葉を、力の象徴として表現したセーターなどがある。
例えば、2017年秋冬コレクションのセーターには、ハワイの神であるティキをピカソ風に描き、「ブーガブーガ」という言葉をくっきりとプリントしている。これは、地元ハワイ出身の有名コメディアン、ラップ・リープリンガーをはじめとするコメディアン集団へ賛意を示したものであり、先住民は魅力的でありながらドジだ、というパロディーを使って非難しているのだ。
スーザさん曰く、このような図案の使い方は「ある程度、差別的な言葉の捉え直しが行われている」のだという。言葉をひっくり返し、サルベージパブリックを象徴するような、つまり知的かつ洗練された方法で表現する。
「もっと知りたいと好奇心をくすぐられる人が現れるかもしれません」とセラオさんは話す。「我々がヒントにしたものを探し、異なる視点からハワイを眺めてくれる可能性があります」。
 
詳しくは、salvagepublic.comのサイトへ。またはeメール@salvagepublicへ。
文=リサ・ヤマダ-ソン 写真=AJ・フェデュシア、ジョン・フック、サルベージパブリック
(翻訳=神原里枝)
This article is provided by “FLUX”. Click here for the original article.


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