OCEANS

SHARE

ブレイクしたのにアッという間に消えていく芸人の共通項 

編集部 長かった冬の時代をあえて前向きに捉えるなら、自分たちを見つめる時間はたくさんあったわけですよね?
「これは『ヨシモト∞』(ヨシモトむげんだいと読む)、通称「無限大」という番組に出ていた2007年の写真ですね。ちょうど2007年に10週勝ち残りを達成したり、過去の中で最も人気があった時期なんじゃないかと思います。でも、すぐその人気なくなるよ、と言ってあげたいです」(長田)。
松尾 そうですね。売れなかった時代は本当にいろんなことを考えました。例えば、売れたけれど、そのあとすぐに消えていく芸人について。きっとこの人はこれをしたから、消えてしまったんだとか、そういうのを自分なりにすごく分析しました。絶対に同じ轍を踏まないようにしようと。
編集部 お笑いの世界をしっかり研究されていたんですね!
松尾 いえ、単に意地が悪いだけです(笑)。「あの人は売れ出したからって最近楽屋で話す声が急にでかくなった」とか「あの人は六本木で飲み歩いたりするのを自慢するようになった」とか。そういう芸人の姿を反面教師にしようと思いながら見ていました。たとえ売れても、絶対に偉そうにしたり、おごることがないようにと心に決めていました。
編集部 長田さんはどうですか?
長田 そうですね、僕はとにかくどんな状況であっても楽しむことを忘れない。ただそれだけを心がけていました。
編集部 それは今も同じですか?
長田 はい! まったく変わりません。TVもライブも、最近であればYouTubeも、まったく同じです。YouTubeでは面白いか面白くないかは二の次で、とりあえず思いついたものはやってみる実験の場として考えているんです。本当に不安しかないんですが、やるからにはとにかく自分が楽しもう、そんな思いですね。結局は楽しんだもの勝ち! なんじゃないかなと。
編集部 YouTubeチャンネル「チョコレートプラネット チャンネル」は登録者数117万人、総再生回数は2億越えという恐るべき人気ですが、手応えは?
「チョコレートプラネット チャンネル」のトップページ。瑛人さんの香水のMVがありつつ、「人気のアップロード動画」には長田さんの完全再現バージョンが。爆笑必至です。
長田 確かにバズっている動画もたくさんありますが、実験の場だけあって、その数倍“ゴミ動画”もありますよ(笑)。
編集部 では、15年の歴史で最もうれしかったことは?
長田 2014年のキングオブコントの決勝で、同期のシソンヌと優勝をかけて戦ったことですね。あの舞台は本当に痺れました。
松尾 僕も同じです。あれを超える興奮を味わう機会というのは、もうないんじゃないかなと思っています。それくらい胸にくるものがありました。
>後編へ続く
 
安部 毅=取材・文


SHARE

次の記事を読み込んでいます。