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常識を超える丸編みニットはこうして生まれる

精密なハイゲージのジャカードニットはこちらの丸編み機で生み出される。コンピューターで制御できる最先端のものを別注して、世界で唯一の「カネマサ」クオリティを実現させた。見た目の存在感も半端ではない。
「カネマサ」のニットは、どこが究極なのか? それを確かめるべく和歌山本社を訪ねた。
世界的にも注目されるハイゲージニットの名門は、今も24時間ほぼ休むことなく、ニットを編み続けている。その現場は、ハイテクとローテクが混在していた。
歴史を感じさせるメインエントランスの表札。創業は1964年。東京・恵比寿の支社と連携しながら、世界各地のアパレルブランドと取引を展開している。
JR和歌山駅から車で15分余り。多くの繊維会社が軒を連ねる地区から少し離れた和歌川沿いに、創業から57年を数える老舗ニッター、カネマサ莫大小の本社がある。
クラシカルな平屋の工場に足を踏み入れると、突如として巨大な丸編み機が現れる。それは、精密なジャカードのハイゲージニットを編むためにコンピューター制御で動く特注品。
糸を巻き取るワインダー。圧巻の光景である。
世界でもここにしかない。そんなカネマサ莫大小の心臓ともいうべき編み機は、ひと回り小さなものも含めると、全部で40台余りが揃う。それらが昼夜休みなく稼働しているのだからすごい。
これまで手掛けてきた生地見本は、膨大な量がストックされている。ちなみにあらゆるアーカイブや生産工程は、すべてコンピューターで管理されている。
そんな「カネマサ」が世界でも注目される所以は、コットンを中心にした天然素材を使って、36ゲージや46ゲージといった丸編みのハイゲージニットが編み立てられる技術にほかならない。それは世界を見渡してみても、どこも真似ができないという。
超ハイゲージのニットを編み立てるためには、上質な糸でなければ耐えられない。そのため「カネマサ」では、オリジナルの糸を使用。また、天然素材はオーガニックを主体をしており、サステイナブルな取り組みにも力を入れている。
繊細な天然素材を高密度に編み立てるには、最先端の設備と、それを使いこなせるだけの熟練のワザが求められる。言わばハイテクとローテク。ニット作りに求められるその両方を備えたカネマサ莫大小は、まさに日本が誇るオンリーワンのニッターなのだ。
丹念に編み立てられたハイゲージニットは、極上そのもの。袖を通せば、一瞬でそのスペシャル感がわかるはずだ。
セットアップの詳細はこちら
[問い合わせ]
カネマサ
073-423-1295
https://kanemasa-inc.jp
清水健吾=写真 STRING=動画 菊池陽之介=スタイリング 長谷川茂雄=編集・文

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