古民家改修だけに飽き足らず
なりゆき任せのたまたま、とでも言うように飄々と語る野上さんだが、やっていることはかなり戦略的だ。
古民家再生をドキュメンタリーとして発信して、今度は完成した古民家を宿泊施設として運営することを思いつく。それもただのリノベ古民家宿じゃなくて、グランピングやBBQ、そしてテントサウナもできるという、複合的でトレンドを押さえたものにした。
ノープランでスタートしたのは本当のことだが、それはきっと、チャンスやアイデアに合わせて柔軟に行動するための、野上さん流の「両手ぶらり」戦法なんじゃないかと思う。
テントサウナも「人気だしあったほうが良さそうだと思って」というユルい動機とは裏腹に、amazonで買えるストーブやテントを試行錯誤しながら組み合わせて本格的なテントサウナを低予算で組み立てた。
古民家の内装もしかり、自前で低予算でも、チープさは絶対に出さないところがニクい。
薪をくべて30分ほど。テント内が十分な温度になったら準備OK。温度は60度前後と少々低めだが、ロウリュで蒸気を満たせば問題なし。
自分で薪をくべて、サウナストーンにアロマ水をかけてと、なんだか焚き火とサウナを同時にやっているみたいだ。
しっかり汗をかいたらドラム缶の水風呂へ。そして庭で休憩。焚き火の香りと広い空、のどかな田園風景と里山。十分すぎるチル空間だ。
巷のテントサウナは数時間利用してウン万円、なんてプランもざらだが、ここは時間無制限。料金も滞在費に含まれている。気兼ねなく寛げるのがとにかくありがたい。
その名の通り、古民家とキャンプ、両方の楽しさが味わえるモノグサ邸(仮)。まだ正式オープンには至っていないので、住所は非公開。予約フォームもまだないとのことだが、直接連絡をくれた人には可能な範囲で案内をしていきたいとのこと。料金は1日5万円〜で、定員は10名となっている。
週末、仲間と充実した時間を過ごすのに最適な大人のプライベートキャンプスペースを、ぜひチェックしてみてほしい。
モノグサ邸https://cocamp.co.jp/三木邦洋=取材・文