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ローコンテクスト社会化を受け止める

要は、日本はもともとハイコンテクスト社会(共通の文化基盤が多い社会)でしたが、どんどんローコンテクスト社会(共通の文化基盤が少ない社会)になってきていることを深く理解すべきということです。
中高年は大河ドラマをよく観ていても、若者はあまり観ていないのです。大河ドラマは過去の偉人が主人公なので、「これぐらい知っているだろう」と思うかもしれませんが、知っている度合いが問題です。
渋沢栄一が日本資本主義の父だと知っていても、その生涯や思想までは知らないということです。もうみんなが同じTV番組を観ていて、翌日それが話題になるという時代はとうの昔に終わっているのです。
 

ファクトとロジックだけで話す

これから若者と話す際は(本当は若者だけに限らず同年代間でも)、過去の事例を持ってコミュニケーションを省略することをせず、普遍的な言葉や誰もが絶対に知っている事実だけを使って、きちんとしたロジックで話をしていくことが必要なのです。
今後は日本でも「あうんの呼吸」「以心伝心」は通じなくなりますし、テレワークで「空気を読む」ことも難しくなるわけですから、ファクトとロジックだけで、丁寧にきちんと説明する能力は誰にも必須なのです。
ちなみに、世界で最もローコンテクスト社会と言われるアメリカ人の書く本が分厚いのは、「大体わかるでしょ」がないからではないかと、私は思っています。
 
連載「20代から好かれる上司・嫌われる上司」一覧へ
「20代から好かれる上司・嫌われる上司」とは……
組織と人事の専門家である曽和利光さんが、アラフォー世代の仕事の悩みについて、同世代だからこその“寄り添った指南”をしていく連載シリーズ。好評だった「職場の20代がわからない」の続編となる今回は、20代の等身大の意識を重視しつつ、職場で求められる成果を出させるために何が大切か、「好かれる上司=成果がでる上司」のマネジメントの極意をお伝えいたします。
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組織論と行動科学から見た 人と組織のマネジメントバイアス
『組織論と行動科学から見た 人と組織のマネジメントバイアス』(ソシム)
曽和利光=文
株式会社 人材研究所(Talented People Laboratory Inc.)代表取締役社長
1995年 京都大学教育学部心理学科卒業後、株式会社リクルートに入社し人事部に配属。以後人事コンサルタント、人事部採用グループゼネラルマネジャーなどを経験。その後ライフネット生命保険株式会社、株式会社オープンハウスの人事部門責任者を経て、2011年に同社を設立。組織人事コンサルティング、採用アウトソーシング、人材紹介・ヘッドハンティング、組織開発など、採用を中核に企業全体の組織運営におけるコンサルティング業務を行っている。
 
石井あかね=イラスト


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