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スポンサー契約のため、610-changに会いに行ったが……

photo by Kazuki Murata
――それでは、610-changに出会ったときのことも教えてください。
萩原 初めて会ったのは、昨年。僕が29歳のとき。慧斗がボードスポンサーを紹介してくれるって言って、610-changに引き合わせてくれたんです。
――いい話ですね。では、周くんはすぐチームライダーに?
武藤 それがさ、慧斗から話を持ちかけられたときに俺、すごく酔っ払ってて。一切、そのくだりを覚えてなかったんだよね。
photo by Kazuki Murata
――それは、何というか、ビックリですね・・・
武藤 慧斗から「改めて周を紹介したいから、家に連れていきます」って後日言われて。「あれ、何か約束したっけ・・・?」ってずっと考えてた(笑)
萩原 家に行ったら「じつはさ、覚えてないんだよね」って申し訳なさそうに言われました。「あ、全然、大丈夫です!はじめまして!」と返したけれど、心の中では「えーっ!マジかよ」って叫んでました(笑)
武藤 「何このおじさん?!」って思った?
萩原 ・・・思いました。
一同 (爆笑)
photo by Kazuki Murata
――実際に周くんと話してみて、どう感じましたか?
武藤 ライダーになってもらいたいって思った。だから、スポンサーの話もふたつ返事でOKしたよ。酔っ払ってても、俺の目に狂いはなかった。
――なるほど。ではシェイパーから見て、周くんの魅力はどういった所にありますか。
武藤 ひとつはサーフィンスタイル。フローで、かつメリハリのある周のサーフィンは、見てて飽きがこないんだよね。ブランクを感じさせない。うちのボードに乗ってもらいたいって思わされたね。
つぎに、性格のよさ。サーフィンは以前から知ってたものの、周と言葉を交わしたことがなかったから、俺はそこが心配だった。だけど、周は穏やかでしょ。実際に話をしてみて、フィーリングが合うとわかったから、そこが決め手になった。
610SURF BOARDS photo by Kazuki Murata
シェイパーとライダーの関係って、信頼とコミュニケーションで成り立っていくんだ。ボードの乗り味とか、改善点をライダーからフィードバックしてもらうことで、シェイパーはよりよいのボードをライダーに作ってあげられる。だから、そこは外せなかったね。
萩原 ありがとうございます。
――周くんは、610-changのボードに乗って変わったことはありますか?
萩原 サーフィンの楽しみ方が格段に広がりました。クアッドのフィッシュテールだったり、細身のコンテストボードだったり、610SURF BOARDSの板はいろんな波を想定して作られているので、いつも新鮮な気持ちでサーフィンできます。
今後は610-changのボードで、もっとビッグウェーブにチャレンジしたい。そして、みんなが驚くようなチューブをメイクしていきたいですね。

若い世代に伝えたいこと

腕に刻まれた「自由」 photo by Kazuki Murata
――最後になりますが、サーファーとしてさまざまな経験を積んできたお二人から、若い世代に伝えていきたいことはなんですか?
萩原 助けを必要としていたら、声をあげてほしいですね。僕がそうして周りに助けられてきたから。できる範囲で、若い世代をサポートしていきたいです。
武藤 友達とサーフィンする時間は超大事。だけど、「ずっと同じところに固まってサーフィンしててもつまんねーぞ」ってことを伝えたいかな。あとは、周りに乗れてない子がいたら、波を譲るくらいのシェア精神を学んでほしい。
photo by Kazuki Murata
――610-changから周くんにかけたい言葉はありますか?
武藤 かけたい言葉……。ないね。俺はシェイパーだから、周が乗る波に合うボードを削るだけ。言葉じゃなくて、行動で示していくよ。
萩原 これからもよろしくお願いします。
武藤 こちらこそ、よろしく!
 
武藤秀行プロフィール

1976年1月30日生まれの湘南ロコサーファー。
2011年に地元茅ヶ崎でサーフボードブランド「610SURF BOARDS」を立ち上げる。ボードビルダーとしての活動のかたわら、2016年に1stソロアルバム”人生のline”をリリースした。2018年にはサーフショップ「Sunny line」を新規オープンし、音楽とサーフスケートで湘南地域を盛り上げている。現在、5人家族の大黒柱。
萩原周プロフィール

1990年11月5日生まれ。湘南・茅ヶ崎在住のスタイルサーファー。
幼少の頃に湘南から宮崎へ移住し、弱冠16歳でJPSA(日本プロサーフィン連盟)からプロデビュー。2006年 KUSTOM PRESENTS HYUGA PRO JUNIOR 優勝、KASTOM PRESENTS BILLABONG WJC JAPAN TRIAL 優勝などの戦績を残す。人生を見つめ直すため一度はサーフィンから離れるも、近年、「610SURF BOARDS」の専属ライダーとして復活を遂げた。
 
佐藤稜馬=文
Kazuki Murata=写真
記事提供=FINEPLAY

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