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「エムズ ブラック」のテーラードジャケット

スタンドカラーでも着られる4つボタンジャケット。天幅を大きく取り、首元にゆとりを持たせたことで着用時に抜けのある表情を楽しめる。7万円/エムズ ブラック(セコンド ショールーム 03-3794-9822)
推薦人
ファッションジャーナリスト 増田海治郎さん(48歳)
ファッションショー中毒で、コロナ禍前の年間取材本数は約250本。著書に『渋カジが、わたしを作った。』(講談社)がある。
デビュー2シーズン目から買い続けていて、70着ほどを所有。もはやコレクター的な視点で毎年買い足しています。松下貴宏さんは今も自ら手でパターンを引いていて、テーラードの世界で革新的な試みをしている人。特に肩や脇の接ぎがないシームレスジャケットは、後世に残る発明だと思います。
いつかパリのランウェイで彼のコレクションを見られる日が来るのを楽しみにしています。
 

「セリーヌ」のテーラードジャケット

礼服をモードに昇華させたエポックメイキングなジャケット。スリムなシルエットだが着心地は抜群。フォーマルながら汎用性の高い一着だ。28万5000円/セリーヌ(セリーヌ ジャパン 03-5414-1401)
推薦人
オーシャンズ コントリビューティング・エディター 大関祐詞(36歳)
ブランドのショーや展示会には欠かさず足を運ぶ無類のファッション通。海外旅行好きだが、コロナ自粛のため、新たな趣味を模索中。
ティーンに向けた細身のロックファッションで当時の若者の心を鷲掴みにした2000年代のカリスマ、エディ・スリマン。セリーヌのクリエイティブ・ディレクターに就任したのちも、彼の提案するスタイルは現在まで一貫しています。
細身でピタッと吸い付くようなアームホールだが、いっさいのストレスを感じさせない。テキスタイルが醸すエレガンスのなかにも若さを感じさせる佇まいは、メイド・バイ・エディならでは。
 

「ユニオンランチ」のダブルブレザー

厚めのウール地、薄めのパッドを使った紺ブレザー。正統派の金ボタンながら、すっきりとしたラペルとリラックスした形で古クサさは皆無。参考商品
推薦人
オーシャンズ 編集長 江部寿貴(43歳)
少年時代、リーバイスとラルフで目覚めた服の嗜好はいまだ雑食。アヴァンギャルド系は苦手。似合う顔と体型に恵まれなかった。
ファッション1億総カジュアル化が進む中、きちんとした服の代名詞テーラードジャケットも昨今「楽チンなやつ」が正義とされている。そうなるとファッション天邪鬼な自分が姿を現してきて、久しぶりにしっかりとしたものを着たいと思っていたところで出会ったもの。
まぁ、シルエットが素晴らしい。決してよそよそしくもなく、でもきちんと見える。いわゆる純粋にトラッドやクラシックなものでは、こういう華のある佇まいにはならない。とはいえモード系が持つイヤな過激さもない。不思議だ。
クリエイティブディレクター、加藤公子さんにこのジャケットをはじめとする服作りのお話をじっくり聞きたいと思っている。参考商品となったのが残念。来秋には商品化してくださいね。
 
清水写真事務所=写真 星 光彦、来田拓也=スタイリング 増山直樹、早渕智之、長谷川茂雄、森上 洋、いくら直幸、髙村将司、大西陽子、中田 潤、今野 塁、菊地 亮=文


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