忙しい俳優業の傍ら、週に1度は畑に足を運ぶ池内博之さん。畑を「池’s farm」と称し、自身のSNSで畑の様子や野菜の成長記録を発信している。
今どっぷりと農の世界にハマっているのだ。
「もともとは友人からの誘いがきっかけ。4年前に東京で畑を借り、野菜作りを始めました。昔から土をいじったり、自然と向き合うのが好きなタイプでした」。
しかし、自宅の引っ越しを機に2年で最初の農ライフは終了。半年前に神奈川県横須賀の高台に畑を借り、再び野菜作りを始めた。都内在住だが横須賀を選んだのには訳がある。10年ほど前、自然とともにある暮らしを求めて移住した街だからだ。
「2年ほど暮らしました。このエリアが今でも好きだし、土地勘がある。畑を再開したいと思ったとき、迷わずここを選びました」。
当時は海でシーカヤックと釣り、山でトレッキングを楽しむ日々。この時期にSUP(サップ)と出会う。ロングボードを手にしたこともあったが、波乗りのほかにもクルージングなど、遊びにバリエーションのあるSUPが池内さんの心を掴んだ。
「SUPは大きいので、神奈川県鎌倉の材木座のサーフショップに保管してもらっています。畑から海までは約30分。このエリアに来れば自然を丸ごと楽しめる。都内から近く、日帰りで二拠点生活を味わえます」。
野菜の育て方は基本独学。ネットで知識を学び、自分流にアレンジしていく。とはいえ、各野菜に適した土作りをゼロから行うなど、本気度は高い。東京にいながらも横須賀の天気をチェックし、畑の様子を気にかける毎日だ。
「でも、なかなか思うようにはいかない。昨年は強風で枝が折れたり、長雨で野菜が腐ったりと失敗続きでした。土作りから始まって、種を植えて、芽引きやさまざまな作業を行う。それでも収穫できなかった場合はかなりショックです。そんな失敗も含め、畑から教わることは多いですね。
自然とは厳しいもの。都会にいるとつい忘れがちですが、人は本来それを感じる必要があるんじゃないかな。対自然で得る経験値は、俳優としての深みも増してくれる。いいバランスで過ごせています」。
2/3