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2021.03.19

ファッション

末長く愛せる「セリーヌ」のスウェット&「ヴァレンティノ×リーバイス」のデニム

パラダイムシフトは、クライシスに見舞われたときに起こりやすい。少し振り返るだけでも、バブル崩壊後にはクラシコ・イタリアのようなハンドクラフトの温かみが重宝されたし、リーマンショック後は、シンプルを極めたノーム・コアが叫ばれた。
世界的にも未曾有の状況である今、エッセンシャルなコレクションを別建てにするモードブランドに見られるように、虚飾を排除し「本質」を見直す動きが高まっているのは確か。
自身を振り返れば、物選びに慎重になり出したという人も少なくないのでは。
末長く愛せるタイムレスな「セリーヌ」のスウェット&「ヴァレンティノ×リーバイス」のデニム
となると、選択肢の上位にランクされるのは、末長く愛せる上質にしてタイムレスなアイテム。言うなれば、スタンダード&リッチ。
その俎上に載せたいモードからの逸品2点は、まさにオーシャンズが生活の軸に据えてきたスウェット&デニムだ。
「ザ・ダンシング・キッド」と題された今季コレクションからのスポーティな一本。コットンテリー素材の「ルーズジョガーパンツ」は、意外にもコンフォートフィッティングが特徴。よりダンスカルチャーの世界観にコミットしている。7万2000円/セリーヌ オム バイ エディ・スリマン(セリーヌ ジャパン 03-5414-1401)
まずは、セリーヌのスウェットパンツだが、手掛けているのは、言わずもがなのエディ・スリマン。今季は特に、音楽を愛する彼がダンスカルチャーをも取り込んだことで、その世界観に新味が加わったと見る。
ミッドライズのややゆったりしたシルエットは、はき心地や使い勝手の良さにもつながる。
リーバイスの名作ブーツカット「517」のヴィンテージに独自の意匠を施した、特別なコラボレーション。ランウェイに登場した本作のほか、今季オリジナルで作られる、同様のシルエットの新作デニムもラインナップ予定。こちらも楽しみ。13万円/リーバイス 1969 フォー ヴァレンティノ(ヴァレンティノ 03-6384-3512)
そして、ヴァレンティノ×リーバイス。これは、ブーツカットの名作517をヴァレンティノが再解釈し、ランウェイでも披露した。独自のスタンピングとオリジナルタグに特別感が加わっている。
フレアデニムを一本ワードローブに置くならコレ、という代物。両者とも、数十年後も手元に残っているはずだ。
 
清水健吾=写真 来田拓也=スタイリング 髙村将司=文


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