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悠久の歴史に思いを馳せる、ただ腕時計を眺めるという至福


ただこんなご時世なので、最近は外遊びは控え、もっぱら家で過ごす時間を楽しんでいるという。それが腕時計だとか。
「アンティークや海外の高級ブランド、スウォッチやGショックなどカジュアルな腕時計まで、全部で15本くらい持っているのですが、それらを眺めている時間が好きなんです。オークションサイトをチェックすることもあるし、そこで買うこともあります。
仕事を通じて着けることも多い腕時計。機械式腕時計の仕組みを知る中で、ケースに集約されている作り手の思いみたいなものを感じて以来ハマってしまい、夜な夜な机の上に置いて眺めています(笑)。
最近、1920年式のティソの角形の腕時計にひと目惚れをして購入しました。ケースの形状が手首に沿ってカーブする、いわゆるバナナウォッチ。オーバーホールに出したのでちゃんと動いているんです。腕時計をただ眺めているだけなんですが本当に飽きないです」。

ところで、趣味が仕事に与える影響はあるのだろうか。
「僕らの仕事は何がプラスになるかわからないですし、特に趣味は自分にとって好きなことじゃないですか。誰かに言われて強制的にやらされるよりも、とんでもない熱量を持ってやれる、それが趣味の魅力です。
以前から世界遺産が好きで、世界遺産検定1級の資格も取りました。資格を取得する際、当時のマネージャーに、試験の日は仕事を入れないでほしいとお願いをしたら、『それが仕事の何の役に立つのですか?』と言われました。でも結果的に本も出版できたし(笑)。
世界遺産を通じて、何かひとつのものを見たときに、いろんな妄想や想像が膨らむようになりました。さっき話した腕時計の歴史や作り手の思いもそうですが、その土地の歴史や文化への想像が広がることは、芝居相手を見たときに、そこから相手の気持ちが汲み取れるようになることと一緒だと思っています。
そういう意味では、趣味を通じて、役者にとって大事な想像力や妄想力を養うことができたのではないかと感じています。自己満足的なこともあるかもしれませんが」。
多くの趣味を持っている中でいちばん好きな趣味を聞いてみると、鈴木は即答する。
「芝居です。好きな趣味を仕事でやらせていただいているので、趣味人といえば趣味人です。いまだにそれが人生でいちばん楽しい趣味であるというのは、本当に幸せなことだなと思います」。
4月から主演ドラマ「レンアイ漫画家」がスタートする。恋愛をこじらせている不器用な天才漫画家・刈部清一郎を演じて、鈴木は何を感じたのだろうか。
後編へ続く
鈴木亮平●1983年生まれ、兵庫県出身。4月スタートの新ドラマ、木曜劇場「レンアイ漫画家」(フジテレビ系、毎週木曜22時〜)で主人公・刈部清一郎役で出演。本作は、漫画一筋でレンアイが超苦手なレンアイ漫画家と、崖っぷちアラサー女子・久遠あいこ(吉岡里帆)の、恋に不器用なふたりが繰り広げる、笑えてほろっとくるハートフルラブコメディ。
山本雄生=写真 臼井 宗(THYMON)=スタイリング 勇見勝彦(THYMON)=ヘアメイク オオサワ系=文


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