数年前のサコッシュのブームと並行して、パリやミラノのランウェイでもミニバッグを見かける機会が多くなった。
火付け役になったのは、フランスの「ジャックムス」。代表的なワンハンドルのショルダーバッグ「LE CHIQUITO」は横幅11.9cm。
iPhone12でさえも入らない極小サイズだが、実用品というよりはひとつのアクセサリーとして男女を問わず大人気となっている。
パリコレの来場者を撮影しているスナップフォトグラファー曰く、昨年1月のパリ・メンズ・ファッションウイークで最も人気だったのが、このミニバッグだったという。
ほかのメゾンでもミニバッグが花盛り。グッチはフットボールシャツにチノパンというザ・アメカジなスタイルに、女性的な真っ赤なミニバッグをスタイリング。ヴァレンティノはハワイモチーフの半袖カーディガンに、ショルダータイプのiPhoneバッグを合わせていた。
ルイ・ヴィトンは、「ズームと仲間たちの冒険」のキャラクターを描いたトランクを、超ミニサイズのショルダーバッグとして提案。このように、モードの現場ではこれまでにないデザインのミニバッグが続々と誕生しているのだ。
こうしたミニバッグが流行している背景には、ガジェット類の小型化&資料の電子化と、ファッションのジェンダーレス化がある。だから、ミニバッグもパートナーとシェアするのが正解。
それまで少なからずあった、「小さいバッグ=女子」というこれまでの常識は捨てて、思いっきり楽しみましょう!
加瀬友重、今野 壘=文