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ポップなロゴやプリントも持ち味。
その日の僕の出で立ちは、グッチの黒いフレアパンツに黒のナイキのエアフォース1、それにセリーヌのルーズなフーディ。
その上に、僕は数十点のセーブ・ザ・ダックを次々と合わせてみた。まずはその軽さに感動し、着丈やフードのバランスやシルエットにも強烈に惹かれてしまった。
もはや、中綿問題は二の次。実用性とファッション性を兼ね備えるセーブ・ザ・ダックに、僕はすっかり魅入られてしまったのである。
タグもプリント仕様で無駄がない。
今回選んだ3点は、すべて僕のワードローブに加えたいと思っているアイテム。なかでも、いちばん上の「ベケット」はグリフィン・スタジオとのコラボレーションで、表地の素材はゴアテックス。左肩のレインボーマークがピースフルだ。
着ると、顔回りにくるオレンジが映える。すっぽり腰まで隠れる丈なので、暖かさ抜群。真ん中の黄色いジャケットは「エドガー」。素材の艶感や全体のボリューム感は、僕の若かりし’80年代初頭に大ブレイクしたダウンジャケットを彷彿とさせる。
これは、展示会当日身に着けていた、グッチのパンツ&エアフォース1との相性もバッチリであった。ジャケット感覚でコーディネイトを楽しみたい。
裏地も100%リサイクルナイロン。
いちばん手前の緑のダウンは「ロビン」。短い着丈と大きいフードのバランスに惚れました。
どのモデルも中綿は「プラムテック」という特許素材で、ペットボトルをリサイクルした微粒子をポリエステル繊維に配合したもの。通気性、速乾性、保湿性などに優れているらしい。これをダウンやフェザーの代わりに使うことによって、つまりは“セーブ・ザ・ダック”となるわけだ。
ペットボトルは、みんな便利に使っているくせに、いざゴミになると嫌われもの感が半端ない。でもそれが機能美に溢れたファッションに活かされるのならば、実に素晴らしいのではないだろうか。
嫌われものが役に立つ。しかもその姿が格好いい!なんだか不良だった子供がいつの間にか男気溢れる優しくて格好いい大人になってた、みたいないい話だと思う。
 
清水写真事務所=写真 祐真朋樹=文


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