“本物”のミリタリー由来のディテール
1985年創業の“本物”のミリタリー文脈から生まれ、メイド・イン・UKに一貫してこだわるアークエアー。その歴史とプライドは、ファッションウェアへ昇華した今もディテールの隅々に残る。
例えば今季の新作「パトロールジャケット」は、ロンドンのメトロポリタンポリスが実際に制服として使っていたアーカイブをベースに採用。
本来はオレンジやイエローなどの蛍光色だったが、カーディガンのごとく日常で羽織れるよう、カーキ、ブラックといったシックな色に変更した。
生地も軽量化し、デザインもシンプルにアレンジしているが、実は作り込みも伊達ではない。
両サイドの大容量フロントポケットは3重構造で、ひと際個性を放つ右胸の立体ポケットはトランシーバーを入れていたオリジナルの名残だ。ライナーはメッシュに変更することで速乾機能を高め、実用性の担保にひと役買っている。
節々まで意味を宿した緻密なデザイン。“ミリタリー風”ブランドにはまず真似できない一着である。
街仕様にアップデートされたデザイン
ミリタリーウェアは確かに機能的だが、だからこそ下手をすれば野暮ったく見えがちだ。最悪の場合、コスプレのように見られてしまう危険性さえあるが、アークエアーのプロダクトならそんなリスクもグッと低減する。
アークエアーの定番「カーゴパンツ」のベースモデルは、今も実際にフランス陸軍へ提供しているミリタリーパンツ。さらに言えば、M-47から始まるフランス軍の伝統あるカーゴパンツに源流を持つ。
アークエアーはこれをスタイリッシュに調整し、必要なゆとりはキープしながらシルエットをスリム化した。
また、カーゴポケットのプリーツを省略したことでよりシンプルに、かつ細身のシルエットが強調されるようアップデートするなど、アレンジは至るところに行き届いている。
一方、片手でカーゴポケットのボタンが着脱できる設計や、アクティブな動きに対応できる股上深めのデザインなど、ミリタリー由来ならではの長所は維持。洗練と機能性を実にバランス良く、高次元で融合した。
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