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海を感じさせる新しいジュエリーの誕生

設立80周年を記念して、2016年に誕生した「シャンス アンフィニ」コレクション。数字の8のようなダブルループは、創業者フレッド・サミュエルの生まれ月や、最初にオープンしたブティックの場所(パリ8区)などに由来する。また「無限」や「永遠」といった意味も込められている。K18PG、ダイヤモンド。リング40万円、ネックレス26万6000円/ともにフレッド 03-6679-2011
「創業当時は真珠を使ったジュエリーを得意としていました。ピンクがかったクリーム色の、最高品質の真珠がパリで評判に。のちにそれは“フレッドカラー”と呼ばれるようになりました」。
今までに見たことのない革新的なジュエリー。それを生み出す技術とセンスに加え、フレッド・サミュエルには生来の明るさとカリスマ性が備わっていたという。
「彼が所有していたアドレス帳を見れば、その社交性の高さをうかがい知ることができます。グレース・ケリー王妃をはじめとしたモナコ王室、マーゴ・ヘミングウェイ、ジャン・コクトー、マレーネ・ディートリッヒ……。文化人から映画スターまで、セレブリティの名前が溢れていました」。
そんなフレッドの名声をさらに押し上げた作品が、’66年に発表された「フォース10」だ。誕生のきっかけはフレッド・サミュエルの息子、アンリ・サミュエルによる。彼がヨットのシャックル(連結具の一種)とケーブルをつなげてブレスレットを作り、妻に贈ったのがその始まりである。
「“諦めることなく、自分の限界にチャレンジする”というスポーツの精神を具現した“フォース10”。海とセーリングにインスピレーションを得たこのコレクションは、男性客の好みを刺激しました」。
ちなみにアンリ自身は、「フォース10」発表以前の’62年に、ヨーロッパのセーリング大会でチャンピオンに輝いている。つまり「フォース10」とは正真正銘、海を愛する男が作った海を感じさせるジュエリーなのだ。だからこそ、そこに息づいたスピリットは色褪せることなく、今も輝き続けているのだと思う。
「使い勝手の良さも抜群です。バックルとケーブルを自由に選択して、自分好みにカスタマイズ。あらゆるオケージョン、あらゆるスタイルにマッチするジュエリーなんです。オーシャンズの読者の方々に、ためらうことなくおすすめできるコレクションですね」。


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