「Running Up-Date」とは……ファッション業界人やギアにこだわるランナーを中心にファンを広げるスイス生まれの新進ランニングシューズ「オン」に勤める田中さんは、
前編でお話ししたとおり、最初はアパレルショップのバイヤーとしてオンのシューズに出合った。
オンの可能性にイチ早く着目し、転職するまでになった審美眼の高さは、業界でも一目置かれている。
走るときでもオシャレにこだわりたい
「雲の上の走り」と形容される独特の履き心地のオン。ホースを何本も連ねて輪切りにしたような、オリジナリティ溢れる中空構造のソールを持つシューズで知られているが、今ではアパレルも扱っている。
「ランニングウェアに関してはダークな色が好みで、その点オンのウェアはカラーリングが絶妙です。シューズに合わせたシンプルデザインなので気に入っています。
例えばオンのアパレルがスタートしたときから定番として展開されているハイブリッドショーツ。インナータイツが2in1で付属していて、それぞれ単体でも使えるのですが、タイツにはサイドにスマートフォンサイズの収納用ポケットがあります。
かたやショーツは街着のように手を突っ込めるタイプのサイドポケットが装備され、これがカギやジェルなどちょっとしたモノを入れるのにとっても便利なんですよね」。
デザインと機能性のマッチング。しかもそれがさりげなく、というのが田中さんの琴線に触れている。スイスエンジニアリングを掲げるだけはある。
ハーフジップの「ウェザーシャツ」は、手首部分にサムループが設けられ、手首まで覆ってグローブ代わりにも使えるデザイン。
そのうえで時計を確認するウォッチウィンドウ用のスリットが隠されているため、タイムの確認でいちいち腕まくりをする必要がない。
「ランニングウェアとしては珍しいかもしれませんが、ベストが用意されているところも気に入っています。
袖がない分コンパクトに丸まり、持ち運びしやすいのですが、前身ごろが撥水&耐風性の高い素材なので、冬場でもそこそこの保温力が期待できます。ベストだから腕振りにもあまり干渉しない点も良いんですよ」。
さすが元アパレルバイヤー、ベストをレイヤードするという視点がひと味違う。
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