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ユーザーにより良い体験を提供する

ニーモ
マットやシュラフもニーモが得意とするジャンルである。
近年はマットやシュラフ、キャンプ用品に関しても、本国では展開していないサイズや仕様のラインナップを増やしてきている。
さらに、テント同様、その発想はどれも独自性に富んだものが揃う。例えば、エアマット特有のフワフワとした寝心地を排除しつつ、断熱性を高めるためのフィルムを吊り下げ構造にすることで不快な音を排除した画期的な構造のマット然り。寝返りに対応できるよう、肘と膝周りに余裕を持たせた独特なシェイプのシュラフ然り。
どんなに売れそうだとしても、既に市場に流通している製品に類似したものは頑なに作らないらしい。
ニーモ
「スプーンシェイプ」と名付けられた独特な形状。細部まで手を抜かない独自構造の面白さは後編で解説する。
ちなみに、ニーモが本社を構えるのは、ニューヨークの上に位置するニューハンプシャー州。
森林や湖に囲まれた自然豊かなフィールドで、バックカントリー・スキーやMTBができるスポットやサーフポイントにもすぐに出られるという、なんとも羨ましい職場環境だそう。
気候は東北や北海道に近く、日本と同様に四季が存在する。そんな自然環境を舞台に、日々製品テストが行なわれている。
ニーモ
ポンプを足で踏むことで水圧を得られるポータブルシャワーはサーファーにも人気の商品。
カムを含め、開発スタッフにはサーファーも多く、「ヘリオプレッシャーシャワー」のように、山だけでなく海でも使える視点で開発されている製品も少なくない。
残念ながら製品化にはいたらなかったが、過去にSUPのデッキ上にセットして使うテントやインフレータブルタイプのボディボードの開発が検討されたこともあったらしい。
ニーモ
キャンプやビーチ、BBQでも活躍するシェルターも使用シーンを選ばない。
「現在市場に存在するものよりも、さらにユーザーに良い体験を提供するための製品を手掛ける」。
この企業理念に則してさえいれば、彼らに山の道具、海の道具という境界線は存在しない。
作りたいのは真にフィールドで必要とされるもの。そうして生まれるギアは、机上で数値やギミックを追いかけて作られた製品とは一線を画す。
必要とあれば小さなパーツも作るし、日本だけの仕様を作ることだっていとわない。この圧倒的なユーザー目線の姿勢。そりゃ、現場からの評判がいいわけだ。
ニーモ
[問い合わせ]
イワタニ・プリムス
03-3555-5605
www.iwatani-primus.co.jp
「Camp Gear Note」
90年代以上のブームといわれているアウトドア。次々に新しいギアも生まれ、ファンには堪らない状況になっている。でも、そんなギアに関してどれほど知っているだろうか? 人気ブランドの個性と歴史、看板モデルの扱い方まで、徹底的に掘り下げる。 上に戻る
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池田 圭=取材・文 宇佐美博之=写真


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