コロナ禍の影響でどのシューズメーカーも大きな打撃を受けています。懐事情の苦しい今、これまでのように手厚くサポートをするのが難しくなっています。よって、選手自らが「自分の足や走り、そして懐具合に合うシューズ」を選ぶ傾向が強くなっているのです。
結果として、シューズの選び方が「本来の姿」に戻っているともいえます。
「シューズ戦争」は新たな時代に
今後、その流れが加速すれば、現状の「ナイキ一択」から、他のブランドを選ぶ選手ももう少し増えるかもしれません。そのような兆しも感じています。
西本 武司(にしもと たけし)/「EKIDEN News」主宰。『あまりに細かすぎる箱根駅伝ガイド!2021』監修。吉本興業、ほぼ日刊イトイ新聞を経て、一般社団法人OTT代表理事。「オトナのタイムトライアル」など新しいレースを企画する。走ること、見ることと多角的にマラソンレースを楽しむ。2017年ニューヨークシティマラソンにて(写真:EKIDEN News)マニアックな観戦の仕方としては、「誰がどこのメーカーのシューズを履いているのか」ではなく、「誰がどのメーカーの、どのモデルを履いているのか」まで見るとおもしろい。
それだけ、シューズ選びに「選手の個性」が出てきています。
いつも解説することですが、学生駅伝の世界では、選手は「ユニフォーム」については、大学と契約したメーカーのものを着ることになっています。
でも、「靴」だけは、選手の感覚を優先して好きなものを選ぶことができる。そこだけはどんな指導者も制限できない、選手の唯一の「聖域」みたいなところです。
こういったバックグラウンドを知りながら、シューズに目を向けてみると、箱根駅伝は「また違った世界」が見えてくるはずです。
「厚底靴の進化」とコロナ禍によって、選手が「自分の好きな靴を履く」という原点回帰が、いまさらに加速しているのです。
西本 武司:「EKIDEN News」主宰
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