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2021.01.08

ライフ

その場でレコードを削るnull records。ニッチなサービスに潜む普遍の価値

2020年上半期に発売されたレコードの売り上げが1980年代ぶりにCDを上回った。なんてニュースが昨年、ニューヨークで話題になった。
null records(ヌルレコーズ)●カッティングエンジニアのナルが2019年にスタートした「老若男女問わず、誰もが簡単に一枚だけのレコードを作れる」カッティングサービス。イベント会場でのカッティング(レコード盤のもとになるラッカー盤に音を溝として切り込んでいく工程)などの出張サービスだけでなく、郵送やメールでも音源データを受け付けており、1枚単位からカッティングの依頼が可能だ。
ここに出ていた数字はどちらかというと、音楽再生装置としてのCDが本格的に表舞台から消えつつあることを示していたのだけれど、レコードの売り上げが毎年着実に伸びていることもまた事実。
OCEANS読者のなかにも、最近はストリーミングとレコード(またはカセット)の両使い、なんて人もいるではなかろうか。
より便利で安価なものに流れていくのが人の常なら、大抵のものはオンラインで聴けてしまうからこそ、特別な楽曲は「自分のモノ」として所有したいという思うのもまた人情。
とういうことで今回取材したのは、「誰もが簡単に一枚だけのレコードを作れる」レコードカッティングサービスを提供している「null records(ヌルレコーズ)」。クラブやライブハウスのイベント現場でライブレコーディング&カッティングを行い、その場で7インチレコードを削り出して販売、というユニークな活動がじわじわと話題になっている。
さて、神出鬼没な“出張レコード制作屋”の全貌を紹介しよう。


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