2020年上半期に発売されたレコードの売り上げが1980年代ぶりにCDを上回った。なんてニュースが昨年、ニューヨークで話題になった。
ここに出ていた数字はどちらかというと、音楽再生装置としてのCDが本格的に表舞台から消えつつあることを示していたのだけれど、レコードの売り上げが毎年着実に伸びていることもまた事実。
OCEANS読者のなかにも、最近はストリーミングとレコード(またはカセット)の両使い、なんて人もいるではなかろうか。
より便利で安価なものに流れていくのが人の常なら、大抵のものはオンラインで聴けてしまうからこそ、特別な楽曲は「自分のモノ」として所有したいという思うのもまた人情。
とういうことで今回取材したのは、「誰もが簡単に一枚だけのレコードを作れる」レコードカッティングサービスを提供している「null records(ヌルレコーズ)」。クラブやライブハウスのイベント現場でライブレコーディング&カッティングを行い、その場で7インチレコードを削り出して販売、というユニークな活動がじわじわと話題になっている。
さて、神出鬼没な“出張レコード制作屋”の全貌を紹介しよう。
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