「ザ・ベストダウン 2020」とは……ダウンをインナーに――。お洒落に新たな選択肢を生んだという点で、インナーダウンの功績は大きい。
その存在感はもはや脇役と呼ぶには憚れるほどで、ついにはインナーダウンに特化したブランドも登場。日本ブランド「タイオン」がそれだ。
今回はタイオンのセールス&プロモーションを担う木村貴之さんに、その魅力と今季のイチ推しアイテムを聞いた。
“専業”らしいクオリティを遺憾なく発揮
インナーダウンがダウンシーンに一石を投じて久しい昨今。その可能性を模索し、独自の解釈と技術で表現しているのがタイオンだ。2016年秋設立と、誕生からまだ日は浅いものの業界から熱い視線を注がれている新進気鋭で、確かなクオリティとコスパの高さで多くの識者を唸らせている。
使用するダウンは、軽いうえに反発力にも秀でる成熟した水鳥の羽を厳選。しかも、650フィルパワー以上という高い基準を自らに課す。表地は、ナイロン糸を高密度に織り上げた超撥水生地で、水を弾くだけでなく、汚れにも強いという優れものだ。
ベストタイプ2型からスタートしたラインナップも、今やバリエーション豊富に展開。その2年後にはハイエンドラインの「タイオン エクストラ(TAION EXTRA UTILITY PERFORMANCE WEAR)」をリリースし、昨年はシティラインとマウンテンラインも発表。その実力は国内にとどまらず、世界にも轟いている。
実力のほどが伺える「エクストラ ライン」の最新作
「やはり、タイオンの魅力を知るならば、ハイエンドラインである“タイオン エクストラ”が適任だと思います」。
2018年に登場し、驚きのセールスを記録。かのエンジニアドガーメンツともコラボするなど、業界内外で注目と評価を高めているのがタイオンの最上位シリーズの、クルーネック型インナーダウン「EX04」である。
持ち前の保温力(850フィルパワー)に加え、ご覧のように2種類のアームを付け替えることが可能で、ブルゾンタイプ、ショートスリーブタイプ、ベストタイプと3-WAY仕様。気温の変化に全対応できるので、シーズンレスでの活躍が見込める。
付属のバッグでコンパクトに収納できるから嵩張らず、自由に持ち運べるのもうれしい。しかも、熱を保持しやすいカーボン糸を採用した素材は静電防止にも役立つなど、まさに最先端インナーダウンと呼ぶにふさわしい仕上がりである。
「インナー使いが中心となるので、基本はややタイトめに作っています。普段よりワンサイズ大きめで選んでいただいていいと思いますが、生地に伸縮性があるので、ジャストサイズでも違和感はないと思いますよ」。
裾のドローコードでフィッティングの調整やシルエットの変化を楽しむこともできる。ゴム入りの袖口は絶妙なテンションで、窮屈さもなく、体温が逃げることを防いでくれるなど、気の利いたディテールワークも見どころだ。
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