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社員全員が厳しいフィードバックを受けた経験がある

「それが文化だから」と言ってしまえばおしまいですが、それではなぜ文化になるまで定着したのでしょうか。
最も重要なことは、創業者の江副浩正さん自身がとてもフィードバックを重視していて、社員同士の個別の口頭でのフィードバックの推奨だけではなく、360度評価のサーベイなどを用いて、ことあるごとに何でも計測し、それを当人に厳しく伝えることを仕組みとして繰り返していたことではないかと思います。
そうすることで、社員全員が厳しいネガティブフィードバックを受けた経験を持っていたのです。そして、そのことを「良いことであった」と感じているから、新人や後輩にもできたのでしょう。
 

セーフティネットとなるインフォーマルネットワーク

もうひとつ、「フィードバックの文化」を支えたものが、リクルートの強いインフォーマルネットワーク(非公式な人間関係)ではないかと思います。
どれだけ正しかったとしても厳しいフィードバックを受ければ、人は自我が傷ついて自己保身的になります。認めなかったり、攻撃したり、逃走したりします。そうなってしまうと、フィードバックは結局効きません。
傷ついたときに、どこかから手が差し伸べられて、受けたフィードバックに対しての解釈のサポートや、受け止める強さを持つための励ましなどを行ってくれる人が必要なのです。それがあるがゆえに、フィードバックの効果が担保されるのではないでしょうか。


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