12月8日と聞いて何を思い浮かべるだろう。
そう、かの世界的スター、ジョン・レノンが1980年、狂信的なファンの凶弾に倒れた日である。
そして、悲劇からちょうど40年となるこの節目で、ビッグニュースが舞い込んできた。なんと、彼が最期の瞬間に身に着けていた眼鏡、白山眼鏡店の「メイフェア」が完全復刻されることになったのだ。
このメイフェアモデル、不思議なことにこの40年の間ずっと廃盤となっていた。ファンならずとも多くの人が喉から手が出るほど欲しがっただろうし、白山眼鏡店にとっては、ある種の“ビジネスチャンス”でもあるはず。それなのに、なぜ廃盤だったのか。
その理由は、白山眼鏡店にとってメイフェアモデルが、ブランドの誇りやジョンとの思い出そのものであり、“聖域”であったから。
偶然、ジョンが店のディスプレイを見て、白山眼鏡店に興味を持ったのをきっかけに始まった、白山眼鏡店とジョンの交流。それをビジネスにすることは、どうしても野暮に思えるというジレンマがあったのだ。
しかし、そんな“聖域”が汚されようとしていた。
「メイフェア」の名称をまったく無関係な同業者が商標登録し、模倣品が出回ってしまったのである。
このままではジョンとの歴史が歪められた形で世に出回ってしまう。そこで、白山眼鏡店はジョンと紡いできた歴史を守るため、メイフェアモデルの封印を解く決心をしたという。
そして、2年にわたる「メイフェア再製作プロジェクト」を経て、復刻したのがこちら。
カラーは、らん甲(イエロー)、ハバナ(ブラウン)、透明(クリアー)の3種類。いずれもジョンのお気に入りだったカラーだ。
それぞれの眼鏡には、グラスケースとセリート(眼鏡拭き)、さらにはシリアルナンバー入りのカードがセットで付いてくる。
らん甲のフレームにはとにかく濃い色を、というのがジョンの希望であったそう。レンズのカラーリングもばっちり再現されている。
40年経った今も、クラシックな佇まいは健在だ。
ちなみに『SEASON OF GLASS』のジャケットに登場しているメイフェアはこちらのカラー。クリアフレームには淡いブルーのレンズを使用した。
フレームのフロントには飾り鋲を左右に2つずつ施すなど、クラフツマンシップが感じられる美しい仕上げになっている。
フレームのテンプル部分には、ブランド名を刻印。蝶番などのディテールにいたるまで、オリジナルのメイフェアが完全に復活した形だ。
店頭での発売は、2021年1月からスタート。WEBでの先行予約は
特設ページにて12月21日(月)の午後12時から申し込みが開始される。
伝説モデルの思いがけない登場に、このうえない歓びを感じている人は多いはず。1月の店頭販売では混雑が予想されるため、先行予約で確実に手に入れよう。
[問い合わせ]白山眼鏡店 WALLS 03-5468-0397www.hakusan-megane.co.jp
白柳ワサビ=文