SHUN SUDOという人物をご存知だろうか?
2015年にNYで開催した個展「PAINT OVER」で喝采を浴びたあと、2017年にはナイキ「エア フォース1」の35周年を記念したアートピースを制作。最近では、2019年にオープンしたアップルストアのキービジュアルを手掛けるなど今、最注目の現代アーティストだ。
そんな彼の国内3度目となる個展が、東京・六本木のアートギャラリー「ANB Tokyo」で開催中だ。
SUDO氏は、1977年生まれの43歳。幼少期は歌舞伎役者として舞台に立ち、10代から20代は世界を放浪しながら、独学でアートを学んだ。その後は自身の作風を確立し、画家としての活動を広げている。
墨絵のような筆使いとアメリカングラフィティを融合したポップなタッチが特徴で、世界中にファンがいる。
本個展のテーマは「2020」だ。
新型コロナウイルスによるパンデミックや人種差別に対する大規模な抗議運動など、歴史的な出来事が数々起こった2020年。
さまざまな想いが交錯するなか、激動の1年を振り返るために、個展の開催を決意したという。
現代アートと聞くと「難しい」「意味不明」といったように、心のシャッターを閉じてしまう人が多いかもしれない。しかし、SUDO氏の作品はちょっと違う。
一つひとつに強いメッセージ性があり、観る者を圧倒させるエネルギーがあるのだ。
ここでは、数ある作品の中から3つピックアップして解説していこう。
この配色を見て、勘のいい人ならすぐに気付いたかもしれない。そう、伝説のNBAプレーヤー、コービー・ブライアントが所属した「ロサンゼルス・レイカーズ」のチームカラーである。
2本の花には、コービーとともに逝去した13歳の娘への追悼の意を表現した。
茎の部分は、バッシュの靴紐になっている。さらに、よーく見ると、2つの花は、コービーの背番号であった「8」の形をしており、靴紐も同じくコービーが着用し、永久欠番になった「24」を表している。
こちらは、大統領選をきっかけに描かれた作品だ。
これから握手するのかもしれないし、ジャンケンの勝ち負けを示しているのかもしれない。いずれにせよ、日本とアメリカの関係を表現したもので、捉え方はあなた次第だ。
この3部作で描かれているのは、マスク姿の人間と花である。
パンデミックによって人間同士の関わりが薄くなってしまった今、人の心を花に例え、どんな状況も必ず乗り越えていけるというポジティブなメッセージが込められている。
会場では、本個展限定のTシャツ(6000円)や作品集『INSPIRATION』(5500円)を発売中だ。
さらに、6階のスペースでは、SUDO氏の制作現場を見ることができる。現在はクリスマスへ向け、白壁に巨大なクリスマスツリーを制作中。タイミングが合えば、本人と話すこともできるはず。
それぞれが、いろんな想いで過ごした2020年。そんな1年の記憶を、SHUN SUDOの作品と重ね合わせてみるといいかもしれない。
[イベント詳細]SHUN SUDO 個展「2020」 期間:12月10日(木)〜12月27日(日)住所:東京都港区六本木5-2-4 ANB Tokyo 3F&6F 営業:12:00〜18:00(金、土曜は20:00まで)休業:月曜
www.instagram.com/shun_sudo/※ご来場の申し込みは下記よりお願いします。https://forms.gle/ejBP7Tm5qepdkN2S6[問い合わせ]一般財団法人東京アートアクセラレーション admin@taa-fdn.org