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プレミアよりも、持ってることの幸せを

今では10足前後の「エア ジョーダン 1」を所有している渡辺さん。コレクトの基準は2つある。
「僕はプレミアは一切気にしていなくて、自分が所有したいと思えるかどうか、そこをいちばん大切にしています。今後も無闇に買い漁ることはないですね。レフリーカラー以外だとオリジナルカラーに近い復刻モデルを選んでいます。
ファンの間では“シカゴ”のニックネームで呼ばれる配色。1985年に16色発売されたオリジナルカラーを復刻したモデル。
ディテールに関しても、オリジナルを忠実に再現しているほど理想的。完成した「エア ジョーダン 1」のデザインに余計なアレンジを加える必要はない、というのが渡辺さんの考えだ。
いわゆる“ブレッド”のカラーリングも含め2足のセット販売されたモデル。箱もしっかり残っている。
「正直、シュータンのジャンプマンもいないほうが理想的。だから、もしも別注の依頼をいただいても、僕には何にもできないと思います(笑)」。
ただ単純に好きだから所有したい。渡辺さんの「エア ジョーダン 1」に対する考えは至ってシンプルだ。
「収納するにしても場所を取るし、傍から見たら本当に無駄な買い物をしていると思われるかもしれませんが、僕は“所有すること”で満たされている部分が少なからずある。ジョーダンはストリートカルチャーにおける揺るぎないブランドのひとつですし」。
スニーカーは、ユーザーの想いが重なることで新たな価値を持つ。「エア ジョーダン 1」は、昨今のスニーカーブームの本質を示す稀有な存在だといえるだろう。
 
What’s AIR JORDAN●オークションではマイケル・ジョーダン本人が着用していた「エア ジョーダン 1」が61万5000ドル(約6600万円)で落札。彼が現役引退してからも派生モデルは増殖し、比例するように熱狂的マニアも後を断たず。エア ジョーダンって一体、なんなんだ?上に戻る
鳥居健次郎=写真 戸叶庸之=編集・文


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