「カラダのメンテナン酒」とは…… 寒さもようやく本格化し、お燗も一段と美味くなってきた。しかし「日本酒は悪酔いする」と信じて疑わない人も少なくないだろう。
そんな固定観念に対し「日本酒だから悪酔いするという説はありえない」と断言するのは、日本酒好きで知られる肝臓専門医師、浅部伸一先生である。
肝臓のスペシャリストが語る、ウワサの真相とは……。
話を聞いたのは……
悪酔いの原因はアルコール度数とその量
「科学的には、悪酔いや二日酔いの原因は、アルコールとアセトアルデヒドという物質で、ほかの要素はあまり関係がありません」。
そう浅部先生は断言する。
「お酒は利尿作用があると同時に、アルコールを代謝するために体が水分を必要とします。結果、水分補給が足りずに脱水状態に陥り、アルコールの分解が遅くなることはよくあることです。ですから、日本酒だけが特別に悪酔いをするという事実はありません」。
さっそく結論をありがとうございます!
……でも、じゃあなぜ巷では“日本酒悪酔いする説”が囁かれるのだろうか。
「強いて言うなら、飲み口の良い日本酒をついつい飲みすぎてしまうからでしょうか。日本酒は醸造工程で加水し、アルコール度数を調整しますが、今は無加水でアルコール度数の高い原酒が流行っています。アルコール度数も必然的に高くなりますが、口当たりが良く飲みやすいものが多いので、無意識に飲みすぎてしまっている可能性はあります」。
一般的な日本酒のアルコール度数は約14~16度。しかし、加水せずに出荷される原酒は、18~20度にもなるという。一般的なワインと比べても、随分高い。そりゃ同じようにグビグビ飲んでいたらキケンである。
悪酔いしないためにこまめな水分補給は必須だが、これからの時季、浅部先生のオススメの飲み方は燗酒だという。
「燗を付けることでアルコールも少し飛びますし、冷酒と比べてゆっくり飲むことができるので、酒量がコントロールしやすいですよね。香りも楽しみながら、ゆっくり、水を飲みながら熱燗を飲んでもらえるといいと思います」。
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