「自転車ライフ 2.0」とは…… 俗にいう“ママチャリ”から、クロスバイク、シクロクロス、MTB、電動自転車……と、自転車の種類を挙げればキリがないが、ここ2〜3年で急速に台頭した新興勢力がグラベルロードバイクである。
自転車のプロも、「まさに自転車の楽しさを体現したようなモデル」とゴリ推しするグラベルロードバイクとは、いったい!?
| お話を聞いたのは… 大澤知秦さん ワイズロード屈指の自転車愛を持つ男。現在乗っている愛機は、ロードバイクが『オルベア』のオルカ、グラベルロードバイクが『ボムトラック』のフック2。 |
“グラベルロード”とはなんぞや?
グラベルロードとは、近年、確立されてきた自転車のジャンルで、海外ではすでに浸透し、多くの人に親しまれている。
「簡単に言えば、“見た目はロードバイクに近いけどオフロードも走れますよ”という自転車です。シクロクロスもよく知られていますが、それはどちらかといえばレース車といった位置付け。
グラベルロードは、キャリアやフェンダーが付いた車体に荷物を積み、旅やキャンプもできる、より多様性を備えた自転車です」。
“グラベル(=砂利などの意)”の言葉が表すように、未舗装の道路や草むらも苦にせず走破。ロードバイクやシクロクロスよりもハンドルの位置を高めに、タイヤの太さを厚めに設計されている。
スピードもそこそこに走りの安定性は抜群、乗りやすいのが何よりうれしい。通勤はもちろん、休日にはキャンプのお供としても楽しめるシロモノで、近年、各社がグラベルロードにチカラを入れているという。
とはいえ「ママチャリ以来、自転車はご無沙汰」な人たちにはポカ〜ンってなもんだろう。でも、これをスルーするなんてもったいないので、初心者にもオススメのモデルを3つ紹介してもらったゾ。
①世界基準の挑戦を続ける日本のパイオニア
「グラベルロードでも、これは買いやすいと思います」と最初にご紹介頂いたのが「フジ」。
今でこそ海外資本となっているフジだが、そのルーツは日本。米国商品の輸入モノをベースとした小売店からスタートし、1906年には英国の自転車も輸入。1930年代には自社製作の自転車をリリースするなど、国内自転車カルチャーを牽引した、まさにパイオニアである。
「フレームが“クロモリ”(鉄)なので、耐久性が高い。あと振動吸収にも優れているので、乗り心地がいいんですね。ロングライドには最適だと思います。その分、やや重量は重くなってしまうんですけど、積載性や耐久性を重視される方には打ってつけです」。
代表的モデルとして挙がるのが、この「フェザー CX+」だ。見た目にも美しいシャープなフレームをベースに、シマノパーツやブロックタイヤを標準装備。高品質なクロモリフレームでしなやかな乗り心地を実現した。もちろん、シリアスシーンにも耐えうる屈強さは非常に頼もしい。
街乗りのみならず、ゆくゆくはツーリングやバイクパッキングをお考えなら迷わず買い、な銘柄である。
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