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体の後面を伸ばして、腰痛・膝痛を予防・改善

―次の「体を倒す運動」ですが、これにはどんなメリットがあるんですか?
【体を倒す運動】
ラジオ体操
股関節から体を直角に折り曲げるようなイメージで体を前に倒し、両腕を前後に振る動きに合わせて上体も弾ませるように動かす。背中や尻、もも裏の筋肉が伸ばされていることを意識して行う。
新田 : 根幹部、特に、股関節まわりの筋肉の硬さがとれます。それと、ストレッチしにくい体の後面の筋肉のほとんどを、同時にストレッチできてしまうことです。
なかでも、背中の中部から下部にある筋肉(脊柱起立筋)と、お尻、ハムストリングスのストレッチ効果は抜群です。
―体の後面の筋肉をストレッチするメリットは?
新田 : 正しい姿勢がとれるようになって、体の安定性が高まることですね。そうなると、脚を動かしたときなんかもにグラつかないので、自ずと腰や膝への負担も減らせます。腰痛、膝痛に悩む人には最高ですよ。
股関節まわりが柔らかくなると、脚運びも軽くなるし、股関節痛も防げます。デスクワークで股関節を曲げたままの状態が長く続くと硬くなるので、この体操はリモートワークで座りっぱなしという人にもおすすめですね。

最後の仕上げは上半身のストレッチでコリを改善

―最後は「体をねじる運動」ですね。
【体をねじる運動】
ラジオ体操
両腕を左右に振り、交互に強弱をつけて上半身をねじる運動。肩甲骨や胸のまわりの筋肉がしっかりストレッチされていることを実感しながら行おう。
新田 : この体操は、広背筋、僧帽筋といった肩甲骨まわりにある大きな筋肉や、胸の筋肉(大胸筋)を一気にストレッチできます。
体をねじる動きは、大きな筋肉を効率的にストレッチできる動きなんです。大きな筋肉を柔らかくすると血流も一気に改善されるので、上半身のコリを効率よく改善できるんですよ。
小難しいストレッチをやるよりずっと効果がありますよ。これがラジオ体操のすごいところで、全部が簡単なのに全部が効く。
―ちなみに今回の3種目を行うと、筋膜も柔らかくなるんですか?
新田 : もちろん。筋肉がストレッチされると筋線維が動く、ちょっと専門的に言うと「滑走」します。筋線維が滑走すると筋膜も筋線維と擦れ合って時次第に柔らかくなっていくんです。
●トレーニングの流れ
STEP1 ノーマルバージョン
90~100bpmの速さで「両脚で跳ぶ運動」→「体を倒す運動」→「体をねじる運動」をそれぞれ1分間ずつ行う。

STEP2 スピードアップバージョン
「両脚で跳ぶ運動」→「体を倒す運動」→「体をねじる運動」の順に、それぞれ15秒間全力で行う。
【スピードアップトレーニングの参考動画はこちら】

「ラジオ体操2.0」
誰しも子供の頃に、一度はやった記憶があるだろう「ラジオ体操」。そのルーツは戦前までさかのぼる。そして、馴染み深い現在のラジオ体操第1は1951年、第2は1952年に正式制定されたものだ。そんな“国民的体操”を子供や高齢者のための運動と思ってはいないだろうか? それは大きな間違い!ラジオ体操は体の構造を徹底的に研究して考案された「スキのない全身運動」なのだ。これを極めれば、特別な筋トレやストレッチをせずとも体を進化させられる! 上に戻る
【取材協力】
ハイアルチ 吉祥寺スタジオ
住所:東京都武蔵野市吉祥寺東町1-17-18
電話番号:0422-22-7885
営業:10:00~22:00(平日)、10:00~19:00(土・日・祝)
http://high-alti.jp/
空間をまるごと低酸素状態にしたスタジオで行う「ハイアルチテュード(高地)トレーニング」を、気軽かつ、リーズナブルに体験できる日本初のハイアルチテュード専門スタジオ。専門トレーナー指導のもとでのトレーニングなので、安全に効率よく鍛えられる。都内では、吉祥寺のほかに、三軒茶屋、代々木上原にスタジオを構える。
実践してくれた人】松森 亮さん
千葉県船橋市出身。1977年生まれのオーシャンズ世代。市立船橋高校サッカー部時代は選手権全国優勝を経験。U-20日本代表選出され、1996年にジュビロ磐田とプロ契約。引退後はジュビロ磐田で2015シーズンまで広報や運営に携わる。2020年より高地トレーニングスタジオ『ハイアルチ』吉祥寺のGMを務める傍ら、並行して、女子サッカークラブのアドバイザーやモデル業も行うなど精力的に活動中。
楠田圭子=取材・文 渡邊明音=写真


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