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2020.10.15

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テレワーク層に合う戦略。ナイツの「雑談」が拓くラジオの新しい可能性

当記事は、「東洋経済ONLINE」の提供記事です。元記事はこちらから。
ニッポン放送で2時間半の生放送『ザ・ラジオショー』月~木曜日を担当するナイツ(写真:ニッポン放送提供)
ニッポン放送で2時間半の生放送『ザ・ラジオショー』月~木曜日を担当するナイツ(写真:ニッポン放送提供)
そのニュースを初めて知ったときには、とても驚いた。
ニッポン放送で新番組『ナイツ ザ・ラジオショー』が始まるというニュースだ。同番組は9月7日にスタートした、13~15時半の生放送帯番組で、月~木曜をナイツ、金曜を中川家が担当している。
月曜から木曜のナイツの出演時間を全部合わせると、2時間半×4曜日で、まるまる10時間となる。同じくニッポン放送で、彼らがこれまで出演していた『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』木曜日の出演も、現在のところ継続しており、これも生放送で1時間半。
それ以外にもナイツは、TBSラジオで土曜日に『土曜ワイドラジオTOKYO ナイツのちゃきちゃき大放送』という生番組を担当していて、これが4時間。以上すべてを足し算すると、一週間に何と15時間半のラジオ生放送に出演することとなるのだ。
どうなることかと思い、ラジコのタイムフリー機能を駆使しながら、『ナイツ ザ・ラジオショー』第1週・第2週を可能な限り、聴いてみたのだが──。

音楽がかからない、緻密な構成の「雑談」ラジオ

番組を聴いて、さらに驚いた。
番組の内容が、フリートーク中心なのである。いや、フリートークというより、もっとくだけた「雑談」という感じの会話が続く。「雑談」にカギカッコを付けたのは、実際には、緻密な構成が事前に用意されているかもしれないからだが、しかし聴く側が受ける印象は、完全な「雑談」。
ナイツとアシスタントの女性芸人が、自由に会話を進めていく。とりわけナイツの2人による見事なパス回しで、ボールがぐんぐん動いていく。しかし、そのパス回しには、行き着くべきゴールがまったく判然とせず、ただウロウロとボールが動いていく感じが、いかにも「雑談」。
実は『ちゃきちゃき大放送』も、冒頭30分ほどの「雑談」コーナーが最も面白いと思っていたのだが、『ナイツ ザ・ラジオショー』は、それをぐぐっと2.5時間に広げた感じの構成なのである。
逆に言えば、ラジオ番組の基本アイテムとも言える音楽が、一切かからない。当然リクエストも要求しない。いくつかのコーナーやメールの募集もあるにはあるが、番組の骨格は、あくまで「雑談ラジオ」なのである。
さらにさらに驚いたのが、ナイツの2人が、丸腰で臨んでいるような「雑談ラジオ」が、けっこう面白いのだ。抱腹絶倒というよりは、聴いていてニヤニヤする感じの面白さが続くのだが、これがとても心地よいのである。


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