「自転車って、意外と服を選ぶな……」。
自転車ブームが加速するなか、改めてそう悟った人も多いはずだ。特にアウターを羽織るこれからの時季、“自転車のファッション問題”はさらに深刻化する……が、来る冬に向けて朗報をキャッチ。
日本を代表するスポーツアパレルブランド「デサント オルテライン」が、デンマークのサイクリングウェアブランド「パス・ノーマル・スタジオ」とのカプセルコレクションを発表。デイリーにキマる機能派として本命視されているらしい。
なかでも注目を集めているのが、世界に名高い水沢ダウンのハイスペックモデル、マウンテニアをベースモデルにしたコチラ。熱接着ノンキルト加工やシームテープ加工でダウンの弱点である水分含浸を克服し、悪天候での耐久性と冬の耐寒性を追求したハイスペックダウンだ。
自転車に乗るときに困るのが、アウターの丈の長短である。体が前かがみになるため、短すぎれば腰が丸出しになるし、ロング丈だとホイールに巻き込まれる心配も。そこで前身頃の丈をインラインよりも3センチ短くし、後ろ身頃の腰には泥除け機能を追加することでサイクリング仕様にアップデートした。
ダウンだけではない。防風性や軽量性を備えたシェルジャケットは携帯しておくと便利だし、伸縮性に秀でたパンツは自転車を漕ぐときのストレスを確実に軽減してくれる。いずれも機能だけでなく、デザイン的にも優れているので重宝するに違いない。
さらに、本格的なロードレース仕様のアイテムも用意。もはや街着として定着したアウトドア服などとは違い、自転車競技用のアイテムは未だにファッションと距離が開いているのが現状だ。しかし、このスタイリッシュさはどうか。
もちろん、いずれもロードレースでの仕様に応えられるスペックを有するラインナップだ。
パス・ノーマル・スタジオのデザインには、「ライド後にコーヒーショップに立ち寄っても浮かないスタイル」というユニークなこだわりがある。今作も、ロゴや柄の主張を極力抑え、街中や自然の景色に溶け込みやすいシックで落ち着いたカラーパレットが特徴となっている。自転車がより身近になりつつある今、「自転車に合う服」もまた、必然的に求められるに違いない。デサント オルテラインとパス・ノーマル・スタジオのコラボ作は、まさにその先駆けであり、模範とも言える内容に仕上がった。
とりあえず今季、自転車乗りたちの本命アウターはこれでキマリかな。
[問い合わせ先]デサント ブラン 代官山03-6416-5989 原嶋鉄人=文