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ポイントは筋肉の滑走量。腹まわりの筋肉を伸ばし尽くせ!

―これぞ進化系ラジオ体操ですね。
新田 : 今までのように順を追って行うのもいいんですが、ピンポイントな目的があるなら、それに合ったエクササイズに絞ったほうが効率的です。
―「体を横に曲げる運動」「体をねじる運動」「体を回す運動」の3つですね。脇腹を曲げたり、腹まわりを回したり、ねじったりと、ストレッチっぽいものが多い。
新田 : じつは筋トレよりストレッチのほうがエネルギー消費量は多いって言われています。それは筋肉の“滑走量”が多いからです。
―滑走量?
簡単に言うと、筋肉がグーッと伸ばされる量のことで、それが多ければ多いほどエネルギーが消費されるわけです。つまり、筋線維同士が擦れ合うときに発生する摩擦力によって、エネルギーが消費されるってこと。
一方の筋トレは筋肉を伸ばすんじゃなくて、縮める動きが多いので滑走量自体は少ない。だから、筋肉のエネルギー消費量って少ないんです。
―ということは、ストレッチのほうが腹凹効果が期待できると?
新田 : そういうことです。だから、今回のように、お腹のまわりの筋肉を徹底的にストレッチするようなエクササイズを組み合わせることで、お腹まわりの筋肉の滑走量を増やしてエネルギーをどんどん消費する、という仕組みです。
【体を横に曲げる運動】
ラジオ体操
片腕を上げて体を真横に倒すことで、脇腹を限界まで伸ばしていくストレッチ。体が前後に倒れないように注意。真横に倒すことを強く意識して行おう。
【体をねじる運動】
ラジオ体操
ラジオ体操
上半身をねじって腹まわりのストレッチ。顔を正面に向けたまま腕を体に巻きつけるようにして軽くねじり、続けて両腕を大きくに振って体をねじる。腰位置は固定すること。
【体を回す運動】
ラジオ体操
上半身を大きく回して腹まわりをストレッチ。両腕を大きく振りながら、上半身を大きく回していく。腰を支点にして体を時計回り、反時計回りに交互に回していこう。
新田 : まずは通常ペースで、伸ばすべきところにしっかり効かせるようにしっかり行ってください。各種目1分間ずつ、計3分で終了です。簡単でしょ。
そこに30秒全力のスピードアップバージョンを加えれば完璧。スピードアップして行うと有酸素運動の要素が入るので、内臓脂肪をあっという間に減らせると思います。ちょっと息が弾むくらいの運動がもっとも内臓脂肪を減らす、つまり腹凹効果が高いんですよ。
―まずは筋肉の滑走量を増やしてエネルギーを消費し、スピードアップして内臓脂肪をクレンジングしてしまうというイメージですね。
新田 : そういうことです。最初はちょっとキツいかもしれないですが、スピードアップも組み合わせてやってほしいです。キツすぎるなら、最初はノーマルスピードのものを毎日行って、週に2~3回くらいスピードアップも行うとかでもいいですよ。
ちなみに、内臓脂肪ってお酒の飲み過ぎでもついちゃうので、ついつい飲みすぎてしまいがち、という人にもやってほしいですね。内臓脂肪の蓄積を防ぐことができますよ。
●トレーニングの流れ
STEP1 ノーマルバージョン
90~100bpmの速さで「体を横に曲げる運動」→「体をねじる運動」→「体を回す運動」をそれぞれ1分間ずつ行う。

STEP2 スピードアップバージョン
「体を横に曲げる運動」→「体をねじる運動」→「体を回す運動」の順に、それぞれ30秒間全力で行う。
【スピードアップトレーニングの参考動画はこちら】

「ラジオ体操2.0」
誰しも子供の頃に、一度はやった記憶があるだろう「ラジオ体操」。そのルーツは戦前までさかのぼる。そして、馴染み深い現在のラジオ体操第1は1951年、第2は1952年に正式制定されたものだ。そんな“国民的体操”を子供や高齢者のための運動と思ってはいないだろうか? それは大きな間違い!ラジオ体操は体の構造を徹底的に研究して考案された「スキのない全身運動」なのだ。これを極めれば、特別な筋トレやストレッチをせずとも体を進化させられる! 上に戻る
【取材協力】
ハイアルチ 吉祥寺スタジオ
住所:東京都武蔵野市吉祥寺東町1-17-18
電話番号:0422-22-7885
営業:10:00~22:00(平日)、10:00~19:00(土・日・祝)
http://high-alti.jp/
空間をまるごと低酸素状態にしたスタジオで行う「ハイアルチテュード(高地)トレーニング」を、気軽かつ、リーズナブルに体験できる日本初のハイアルチテュード専門スタジオ。専門トレーナー指導のもとでのトレーニングなので、安全に効率よく鍛えられる。都内では、吉祥寺のほかに、三軒茶屋、代々木上原にスタジオを構える。
実践してくれた人】松森 亮さん
千葉県船橋市出身。1977年生まれのオーシャンズ世代。市立船橋高校サッカー部時代は選手権全国優勝を経験。U-20日本代表選出され、1996年にジュビロ磐田とプロ契約。引退後はジュビロ磐田で2015シーズンまで広報や運営に携わる。2020年より高地トレーニングスタジオ『ハイアルチ』吉祥寺のGMを務める傍ら、並行して、女子サッカークラブのアドバイザーやモデル業も行うなど精力的に活動中。
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楠田圭子=取材・文 渡邊明音=写真


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