「STAY YOUNG総合研究所」とは……睡眠が大切なのはわかっちゃいるけど時間がない……。それが働き盛りのオーシャンズ世代の宿命。
でも、大丈夫。かのナポレオンのように睡眠時間が限られていても、その分眠りの質を高めればいいのだ!
短時間でもぐっすり深く眠る方法とは?
……これがオーシャンズ世代のいちばん知りたいこと。そこで累計30万部を突破した『スタンフォード式 最高の睡眠』の著者として知られるスタンフォード大学教授の西野精治先生が眠りの極意を伝授!
| 今回話を聞いたのは…… 西野精治●1955年、大阪府生まれ。医師・医学博士。大阪医科大学大学院から米国スタンフォード大学医学部精神科睡眠研究所(SNCラボ)へ留学。2005年に同研究所の所長に就任。睡眠と覚醒のメカニズムを分子・遺伝子レベルから個体レベルまでの幅広い視野で研究している。 |
「短時間に良質な睡眠がとれるかどうかは、眠り始めの90分が勝負です。眠りにはレム睡眠(脳は起きていてカラダが眠っている睡眠)とノンレム睡眠(脳もカラダも眠っている睡眠)の2種類があり、それらを繰り返しながら眠っています。
注目すべき最初の90分間に訪れるノンレム睡眠は睡眠全体の中でずば抜けて深い、という点。この“黄金の90分”の睡眠をいかに深くするかが睡眠の質を高める近道です」。
そのためのカギを握るのが、「体温」と「光」だという。
「まず、体温は就寝前に深部体温を下げることが重要です。深部体温とは脳や内臓などの体内部の温度のこと。人間の場合、活動している日中の14〜15時頃が最も高くなり、夜になるにつれて手足から熱が放出されて徐々に下がり、睡眠中は低くなります。これはいわば眠るための準備。
就寝前に深部体温が下がるのを助長してあげると、最初の90分間の睡眠の質が高まります」。
具体的には、通気性のいい枕や寝具を使う、カラダが温まりすぎないよう入浴は睡眠の90分前に済ませる(眠る直前の場合はシャワーで)、裸足で寝る、などの方法が効果的。
「次に、光は眠りの環境における重要なポイントとなります。強い光は睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌を瞬間的に阻害するため、覚醒につながってしまいます。眠る前には部屋の明るさを調整して、スマートフォンやパソコンを見るのは控えるようにしましょう」。
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