スタートから3シーズン目を迎えたRHCのデニム。その新作として、古着の501の影響が色濃い、適度にゆとりのあるストレートシルエットのリジッドデニムが加わった。
その開発の経緯をブランドを指揮する江口大輔さんに聞いてみると、大人に似合う代物である理由が見えてきた。
「僕は昔から古着の野暮ったいシルエットのパンツを自分なりにはいていました。501の中でもいわゆる“66前期”と呼ばれる’70年代のモデルや、ディッキーズの874などをはいて育ったんです。
30代も後半に差し掛かった今、大人としてはそんなシルエットのデニムを、上品なリジッドで楽しんでいるくらいが格好いいなと思ったんです」。
最良の形を求めるため、幾度もサンプルを作っては修正したそう。
生産工程はすべてを岡山県で行う。写真のデニムも厚めの生地にしっかりと糊の利いた赤ミミの国産生地を使用した5ポケットタイプだ。育てる楽しみも存分に味わってもらいたいと、色の落ち方にもこだわったという。
「最初は既存のストレートシルエットを採用したリジッドデニムを作ってみたのですが、どこか土クサく、野暮ったく見えすぎてしまいました。そこで股上を少し深くしたり、裾を少し細めに調整。結果、この“ゆるストレート”とでも言うべき形にたどりついたんです」。
デニム本来の男らしさが通っていながら、カーディガンや革靴などシックなアイテムとも馴染む仕上がりは、まさに我々好みと言っていい。
ちなみに、冠されたモデル名は、“EARL(アール)”。かつてのカリフォルニア州知事の名に由来し、かつて江口さんが抱いた米国への憧れを直球で示している。
山本雄生=写真 荒木大輔=スタイリング 松本和也(W)=ヘアメイク 加瀬友重、今野 壘=文