「20代から好かれる上司・嫌われる上司」とは……役に立つから重要なのではない
世界にはさまざまな民族や人種があり、男女やLGBTなどのジェンダーがあり、多種多様な考え方があります。こういった世界の多様性のことを「ダイバシティ」と呼んで、尊重するべきものという考え方が定着して久しいですし、私も大賛成です。
しかし、近年企業において言われるダイバシティの扱われ方については、やや違和感を持つところもあります。それは、「ダイバシティは創造性や変化対応能力を上げるためには、組織にとって重要なのだ」という言説です。
ダイバシティは組織にとって良い効果があるから、役に立つから重要なのではなく、それが世界の現実だから受け止めるべきなのではないでしょうか。
もし、創造性に貢献しなかったら
そんな潔癖な話をせずとも、結果的にダイバシティが進めば、いろいろな人にすみやすい世の中になるのではないかという意見もあるでしょう。しかし、私はダイバシティの重要性を「良いことがあるからだ」と言い過ぎるのは逆効果の場合もあるのではないかと思います。
実際、行動科学などの領域で、ダイバシティの度合いの高低と、組織の創造性や生産性などの関係について研究がなされていますが、その結果は一貫性がなく、必ずしもダイバシティの高さが創造性を生むとは言えないようです。例えば、チームワークが重視される仕事では、ダイバシティが低い、つまり同質性が強い方が効率的であるというようなことです。
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