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カルチャーに帰属する感覚


原宿と千駄ヶ谷の間「ビッグ ラブ レコーズ」のディレクター、平田春果だ。

平田
 もともと私、コミュニティが作りたくて。それには、生い立ちが少し関係していて。東京生まれですが、小さい頃はギリシャに住んでいました。帰国後は、学校に馴染めなくて、日本では当たり前の“体育座り”ができなかったり、いろいろバカにされた(笑)。

渡辺 だから自分の居場所を求めたと。

平田 そこで自分に自信を取り戻させたのが、アートやクリエイティブといった仲間との“共通言語”でした。

渡辺 生まれ育った国ではなく、カルチャーに帰属する、そんな感覚だよね。

平田 そう。人はその根底があるから本当につながれる。最近はSNSで簡単につながれるけど、それって本物?って思う。実際に会って、その人の中身を知ってじゃないと、少なくとも私はつながれない。その意味でお店も、レコードも象徴的な存在です。

渡辺 アナログな音、物体としての重み。レコードには独特の温もりがある。

平田 レコードやアートに触れて、カルチャーの温もりを感じてほしいです。

渡辺 優しくレクチャーしてくれる?

平田 私、最初は冷たいかも。ある程度の緊張感は必要だし、本当のつながりは、その過程も大切。私の接客はあくまでお客様の興味や好奇心ありきで、そこに寄り添っていくイメージです。

渡辺 だからお客さんにもマナーとしての最低限の知識を求めるんだね。それが信頼となり人と人をつないでいく。

——店と客の対等な関係性を尊ぶ。その哲学がコミュニティを支えている。

ビッグ ラブ レコーズ
住所:東京都渋谷区神宮前2-31-3 3F-A
電話番号:03-5775-1315
営業:13:00〜22:00(月曜は15:00〜20:00) 不定休
instagram@biglove_records


若木信吾=写真 増山直樹=文

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