音楽とファッションは切り離せない関係だと考えるDJ・JOMMY。そんなJOMMYが尊敬するのが、世界を舞台にファッションキュレーターとして活躍をする小木 “Poggy” 基史だ。
音楽に影響を受けながら、ストリートからモードまで、幅広く網羅する“世界のPoggy”に音楽とファッションについて話を聞いてみた。
「2006年に、青山でリカー、ウーマン&ティアーズというめちゃくちゃ格好いいセレクトショップをPoggyくんが始めて。音楽とファッションを融合させたその店の存在はとにかく強烈で、今考えると10年くらい早いことをやっていたなと思ったり(笑)。そのときPoggyくんが目を付けたのがクラシックなヒップホップだったんです」(JOMMY)。
当時はまだ分断されていた、ストリートとラグジュアリーのアイテムがセレクトされた店では、ページ下でも紹介しているような、’70年〜’80年代のディスコ、ソウル、ヒップホップがかかり、Poggyオリジナルの解釈の下に、新しいファッションのスタイルを世界へ向け発信していた。
「ヒップホップに出会いどんどんのめり込んでいくうちに、ヒップホップのブレイクビーツが、当時僕が気になっていたトラッド・ファッションに近いということに気付いたんです。あのときはトラッド回帰の流れがアメリカであって、そのアメリカの人たちが影響を受けたのが、日本のVANが制作した『TAKE IVY』という’50年代のアメリカの学生たちのファッションを載せた本だったんです。
VANの方に会う機会があり、そこでトラッドの意味を知りました。どんなに優れたモノでも、その時代で終わってしまったら点だけど、時代を知る人たちが下の世代へ伝えて、点と点が線でつながることによって古き佳きものを残していくことができるんだと。
そしてそれが、ヒップホップのブレイクビーツに似ているなとも思ったんです。’70年代後半にディスコへ行けない若者たちが公園でブロックパーティを始めて、ソウルやファンクなどの曲のブレイク(間奏)をDJがつなげたことによって、ヒップホップが生まれたという、その感じに」(Poggy)。
Poggyがヒップホップから学んだ、「点と点を結び次の世代へと伝えていく」このスタイルは、のちに日本だけでなく、海外のファッションの流れを変えていったひとつの要因になったと言っても過言ではない。
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