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CO2削減効果は500mlペットボトル約17万本


この給水システムの導入によるCO2削減効果は約6トンにもなるという。これは500mlペットボトル約17万本の削減と同じ効果だ。
自分で給水することに、新型コロナウイルスの問題を心配する人もいるだろう。こちらは給水所にボランティアスタッフが立ち、1回1回蛇口部分を殺菌することで対応する。これまで紙コップに水を注ぎ、延々と並べていた労力を考えると、ボランティアの負担もグンと軽くなるはずだ。
ランナーとボランティア全員に除菌スプレーが配布されるほか、会場入場時とフィニッシュでランナーは手指と足を洗浄除菌するシステムも導入するなど、コロナ対策にも力を入れている。
ほかにも、参加Tシャツとスタッフウェアはペットボトルリサイクルによる繊維を使用。スタッフウェアは使用後に回収してリユース、大会プログラムはできる限り電子化するなど、すべての面において環境問題に配慮していくという。
世界で初めての挑戦だけに、1回目からすべてうまくいくとは限らない。思いもよらぬトラブルも起きるかもしれない。そのため、主催者は5年をかけてトライ&エラーを繰り返しながらベストな方法を探っていくという。
とはいえ、コロナ禍が終息に向かう気配はまだない。
エントリーは明日9月5日(土)から開始されるが、開催の最終判断は12月10日(木)に発表されるという。中止の場合は、振込手数料を除き、参加料は返金される。これなら、世界初のサステイナブルなマラソン大会にエントリーしない理由はないだろう。
新しい給水システムで、もしかしたらタイムは落ちるかもしれない。いつもより走りが重くなるかもしれない。
だが、この一歩が、サステイナブルな大会がスタートする1ページになるのだとしたら。それは目先のタイムよりもよっぽど重要なことだと思えるはずだ。
 
林田順子=文

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