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2020.09.02

ライフ

ひとりで完結できるということの喜び。芸人ヒロシ「僕がいま一人を心底楽しめる理由」

当記事は、「東洋経済ONLINE」の提供記事です。元記事はこちらから。
ヒロシさんが違和感を感じてきたこととは?(撮影:梅谷秀司)
ヒロシさんが違和感を感じてきたこととは?(撮影:梅谷秀司)
「ヒロシです……」の自虐ネタで大ブレイクしたのは、約15年前。ネタのイメージから、ネガティブなキャラクターを想像していたが、会って話を聞いてみると、とにかく真っ直ぐな人だった。
好きなことだけを追い求め、ソロキャンプ動画をアップしているYouTubeチャンネルの登録者数は、86万人を超える(2020年8月上旬現在)。8月には書籍『ヒロシのソロキャンプ』も上梓した、ヒロシさんの「頭の中」とは──。

みんな、への違和感

ヒロシさんは幼少期から、なんでもかんでも“みんな”でやらなきゃいけない風潮に違和感を抱いていたそうだ。ピン芸人として大ブレイクしたときも、TV出演が苦痛だったのだという。わがままな話なんですけど、という前置きの後、彼は本心を語った。
「僕は、とにかく集団行動が苦手。お笑い番組に出演させてもらうときも、苦痛だったんです。台本で、思ってもいないことを言わなければいけないこともある。自分が考える笑いの流れと違う雰囲気で編集されてしまう。おかしいですよね。それって、シンガーソングライターの人が作った曲を、スタッフに『やっぱりBメロ変えようか』っていじくりまわされるようなものですよ。もはや、本人の作品ではなくなってしまう」。
非常にわかりやすい例えだ。
「他人にいじくられた結果、僕のパートでスベっても、誰も責任をとってくれない。本人が、矢面に立たされるだけなんです。毎日、とにかく辛かった。それに比べると、YouTubeは自分だけで完結できる。ほんとうに楽ですよ」。
ヒロシさんは、経営者の顔も持ち、執筆活動や店舗経営まで活動を広げている。もともと「成功するわけない」と言われながらも個人事務所を立ち上げた理由は、とてもシンプルだった。
「ひとりが好きで、事務所も入りたくなかったんです。大手に所属すると、上下関係が生まれるのがストレスで。今思うと、ひな壇もつらかった。ファミリーで賑わうキャンプ場に、僕がソロで混ざり込むようなものですからね。TV出演を減らしてから、気が楽になったんです」。


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