人生の約3分の1を占めるといわれる睡眠。疲労回復や記憶の定着など、生活に欠かせない役割を担っている分、睡眠のパフォーマンスを上げることは“人生の質”にも大きく影響する。
そんな眠りの質に、新しいアプローチを行う寝具が開発された。そのヒントをくれたのは、なんとチンパンジーだという。
こちらは、京都の老舗寝具メーカー、イワタが開発した「人類進化ベッド」。
「長方形でも平らでもないのに大丈夫?」という声が聞こえてきそうだが、ご安心を。霊長類の中で最もヒトに近いといわれるチンパンジーの寝床を模して作られたベッドは、驚くほど気持ちいいのだ。
そもそもチンパンジーは、野生の“ベッド作り職人”と呼ばれるほど、毎日移動しては新しいベッドを作り替えて暮らしている。太い枝を折り曲げて丈夫な土台を作り、葉っぱが付いたクッション性のある枝を積み重ねていく。
枝葉を重ねたベッドは、中央部がへこんだ楕円形で、直径は平均90センチ。寝るときは体を丸めたり、縁から足を出して眠るという。
皿のように中心がへこんで縁が膨らんだ形状は、体をすっぽり包み込む。縁部分は枕代わりとして、全方位で寝ることが可能だ。
マットレスは、チンパンジーのベッドの絶妙な柔らかさを再現するために、ホワイトダックフェザーを100%使用。軽いカーブを描くフェザーの弾力がチンパンジーが使用する枝葉と同じく体全体を優しく包んでくれる。
寝返りを打つときに、ベッドが揺れるのも人類進化ベッドの特徴。記録映像を元に、樹上のベッドと同じような360度の揺れを再現。まさに、揺りかごの中にいるような寝心地を体感できる。
人類の祖先も440万年前ごろまでは、チンパンジーと同じく木の上にベッドを作って眠っていたという。我々のDNAに刻まれた寝方は、現代人の睡眠の質を高めてくれるに違いない。
[問い合わせ]イワタ 03-5989-0838www.iozon.co.jp