トラッド服は、格好いい。年を重ねた今こそ取り入れたい気持ちもある。が、一方、日本の夏は亜熱帯並みの猛暑。ゆえにできるだけ軽装でいたいのだが、オーシャンズ世代がだらしなく装えば見栄えは最悪に。
そうか、夏こそトラッドか。そこで、世界からも注目されるウェルドレッサー、鴨志田康人さんに、夏トラッドの極意を直撃。
「品があって清潔感のあるものが好きなんですよ。ただし、往年のルールに縛られると、どうしても古クサさが漂ってしまうので、できるだけリアリティのある“今”を表現するように心がけています」。
例えば、夏素材であるシアサッカーのスーツも襟付きのシャツを合わせると堅苦しいが、白Tにするだけでヌケ感が出る。取材当日もまさにそんな出で立ちだった。
「時代性を出すポイントは、カラーリングとボリュームです。夏は着用点数をできるだけ抑えたいですが、引き算しすぎても面白くない。このあたりの塩梅も大事です」。
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