いくつもの島々で形成される2つの楽園は国際的な玄関口がオアフ島とタヒチ島。
海や砂浜の美しさはどちらも同じだが、オアフ島には巨大資本が投下されビーチ沿いには高層マンションやショッピングセンターが建ち並び、一方のタヒチ島は中心地に繁華街こそあれ、全体的には昔ながらの暮らしが静かに営まれる。
これらは同じポリネシアに属する島ながら趣は大きく異なるように、ひと口に「島」と言っても、そこに広がる光景は多彩である。
先頃実施要項が発表された第4回宮古島文学賞は、初年度から続き今年もテーマを「島」とする。あらゆる人に平等に優しく厳しい自然を身近に築かれる島の人間模様は10人いれば10通り。
赤道直下や極寒の地、架空の島など、“あらゆる島”からどのような人間ドラマが生み出されるのか。およそ都会暮らしには想像しがたい、しかし確実に存在する島人たちの暮らしぶりは、読み手にこの世界の多様さを教えてくれる。
memo古来、口承文芸や英雄叙事詩など独自の土壌と謳われ、今日まで受け継がれてきた宮古島の文学風土。この営々と流れる文学への思いを礎に、宮古島文学賞は、文芸活動のさらなる振興をはかり、珊瑚礁に育まれた文学風土を全国に発信することを目的に実施される。
作品の種類は短編小説。テーマを「島」とし、10月1日(木)から31日(土)まで応募を受け付ける。応募方法など詳細は
宮古島文学賞のサイトへ。
石川直樹=写真 小山内 隆=編集・文