食わず嫌いは損する、最後の背中押し
──続いてサーフボードの足回り、おすすめのフィンのセッティングはありますか?市東 俺は1本のシングルフィンかな。いちばんシンプルな、サーフィンの基本形だから。
──吉川さんはどんなフィンセッティングがいいと思いますか?吉川 うーん、僕はいくつかフィンが付けられる仕様がおすすめかな。シングルで基本を学びたいときもあれば、ツインで遊びたいときもあるだろうし、トライにしてよりマニューバーを楽しんだりもできるし。いろいろな好みに対応できるから、マルチなフィンセッティングがいい。200cm台くらいのボードだと、ボード自体のストライクゾーンが大きいから、あまり合わないフィンセッティングがなくて万能性に長けているんだ。
──聞けば聞くほど、懐が深いボードなんですね。ミッドレングスって。吉川 テールデザインとかはその人の好みで味付けできるし、ノーズの形とかもいろいろスタイルが出せるしね。そのあたりはプロポーションの問題で、シェイパーさんと話し合って自分の好きなようにアレンジして楽しむっていうのもありだと思う。
──では最後に、さらにミッドレングスのここがいい! というポイントは何でしょうか?市東 シティサーファーにはいいよ。住宅事情もあるだろうから。ロングボードだと長すぎるでしょ。エレベーターにも入らないだろうし。ミッドレングスなら持ち運びも楽で、家に置いておいても邪魔にならない。
吉川 いざとなれば電車でも行けるしね(笑)。波が小さいときに、無理に頑張らなくても気持ち良く乗れるところがすごくいい。かたくなに「いや、まだまだショートで!」ってなると、いずれ苦しくなるから。頑張るところはそこじゃない。ぜひ一線越えてもらいたいな。
市東 とにかく楽しいもん! 乗ってみなって、サーフィン観が変わるから。目の前が開けちゃうよ。
ふたりが手本にするのはデヴォン・ハワード「200cm台ボードを乗りこなすために、動画を観て参考にするべきサーファーは?」とたずねたところ、2人が口を揃えて名前を挙げたのが、カリフォルニア出身のプロサーファー、デヴォン・ハワード(45歳)。
その彼が、名門ブランドのチャネルアイランズと開発したモデルがこちらの「CIミッド」。小さい波はもちろん、サイズがある波でも威力を発揮するデザインで、スピードがついても操作しやすく、らくらくとターンができてしまう優れもの。
山本雄生=写真(人物) 鈴木泰之=写真(静物) 髙橋 淳、小山内 隆=文