またベドウィン & ザ・ハートブレイカーズの渡辺真史さんはこう回想する。
「昼間はアルバイトの休憩時間にベンチに腰掛けて友達を待ってみたり、夜中には酒を飲んだり。チーマーも、スケーターも、家族連れもいました。いろんな人たちが憩いを求めた場所だと思います」。
渡辺さんは東京ブランドとスニーカーブランドで構成するショップ、DAYZ(デイズ)をオープンさせる。店名には「あの頃の日々を思い出し、この頃の日々を感じ、そしてこれからの日々をつくっていく」という思いを込めたそうだ。
DAYZのコンセプトに共感して集ったさまざまなブランドから“東京ローカルらしい”アイテムがリリースされるという。「ネイバーフッドからは1990年代のアーカイブを復刻。アンダーカバーには今の感覚を表現したアイテムを作ってもらいます」。
またインセンスブランドのクンバや西山徹さんが手掛けるFRARのアイテムも展開するそうだ。そのラインナップをみればDAYZはこれからのMIYASHITA PARKを盛り上げる、その原動力となるショップになると想像できる。
「カルチャーのハブとして機能するよう頑張りたい。渋谷はさまざまな人が行き交う街。性別も年齢も国籍も関係なく、渋谷のカルチャーを愛する人たちが喜ぶようなイベントを企画していきたいですね」。
若き日を宮下公園で過ごしたふたりが手掛けるそれぞれのショップ。共通しているのは単に当時を懐かしむのではなく、今のMIYASHITA PARKを通じて新たな“渋谷カルチャー”を発信しようとするチャレンジ精神である。
清水健吾=写真 来田拓也=スタイリング 加瀬友重=文