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【1本目】あの映画監督から着想を得たジャパンメイド

アヤメの「スパイク」
アヤメの「スパイク」。その名の由来、わかるかな?
アメリカへの憧れからサングラスを手にしたときもあった。たとえ自身の顔にフィットせずとも、所有して掛けることに意味があったから。しかし年を重ね、さまざま経験してきた今となっては、やはり自分に合ったものが何よりうれしい。
その点でいえば、日本人の顔の特徴をよく心得ている日本ブランドに一日の長があるだろう。その筆頭がアヤメ。荒木さんのお気に入りブランドのひとつでもある。
「僕の顔に違和感なく馴染む。これ!という明確な理由はないんですけど、そこにすごさがあるんでしょうね」。

5〜6年前に購入したというこの「スパイク」は、まるでクラウンパントのような角ばった上部と緩やかにラウンドさせた下部の対照的なシェイプに惹かれて購入した1本である。
モデル名からも分かるように、こちらは映画『マルコムX』や『ブラック・クランズマン』などで知られるアメリカの映画監督、スパイク・リー氏が掛けていたクラウンパント型のメガネにインスパイアされて作られたもの。
ヴィンテージに見られるややアクの強いフォルムながら、大きさや厚みを控えたことでより現代的に仕上がっている。そこへ、荒木さんなりのひと手間を加えた。

「紫外線の強い屋外だとレンズの色が濃くなり、屋内だと透明になる調光レンズを入れました。仕事柄、リースや撮影で屋内外を頻繁に行き来する僕にとってはすごく便利ですね」。
そんな遊び心も、きっと年を重ねてきたからがゆえかもしれない。
 

【2本目】精悍な顔つきを生むブランドの定番

アヤメの「ニューオールドⅡ」
2本目もアヤメから「ニューオールドII」が登場。
形、色、そして素材感――荒木さんがサングラスを選ぶ際に重視するチェック項目である。
3つの調和がとれていて、初めて購入に至る。そんな厳しい目を持つ荒木さんも唸ったのがこちら。

「新作として発表されたときに目には留めていて、以後ずっと気になっていたんですよね。仕事でも手にする機会はあって、そのたびに『やっぱりいいな』って。それで初見からだいぶ経ってはいましたが、つい最近、購入に至りました」。
ボストン型とウェリントン型の良いところを集約させたアヤメの大定番のひとつ、「ニューオールド」。これはそのシェイプを活かしながらフロントの設計に手を加えた二代目で、なだらかだったブロウラインにエッジを効かせ、ハッキリと主張のあるデザインに作り直したものだ。
ボリュームのある智からテンプルの縦幅を利用し、三点鋲を打ち込んだ意匠も特徴的で、アクセントにもぴったりである。

「やや吊り上がったラインが気に入っています。1本目で紹介したスパイクよりちょっと大ぶりなサイズ感もポイントですね」。
そのキリッとした印象は表情を精悍に見せるということで、仕事時の車中にはいつもこいつがいるのだとか。
 

【3本目】休日に掛ければ気分は最高潮!

白山眼鏡店のサングラス
ヴィンテージ感が光る、白山眼鏡店のサングラス。
3本目は、アヤメと共にお気に入りのブランドにあげる白山眼鏡店のもの。購入に際しては特別な思い出があるため、愛着もひとしおだという。

「白山眼鏡店さんとは仕事で関わらせていただいたことが何回かありました。あるとき、光栄にも社長に接客していただいたんです。豊富な知識とアイウェアへの愛情に溢れた方で、いろいろと勉強になりましたね。今では最高の思い出です」。

そんな思い出が詰まったこちらは、グリーンのレンズと爽やかなオレンジを配したノーズパッドやテンプルエンドが実に軽やか。
「ヴィンテージを思わせるクラシカルなデザインと、独特なレンズのカッティングがいいですよね」。
真夏の晴れた日に最高、と語るこいつは、休日をとても幸せな気分にしてくれる。
 
丁寧な仕事っぷりと精巧な作り、そして日本人の顔を熟知した抜群の掛け心地はジャパンメイドならでは。日本が誇る2ブランドは、文字通りオーシャンズ世代のお眼鏡に適うハイクオリティだった。
「夏のサングラス3本勝負」とは……
いよいよ到来、ギンギンぎらぎらの夏である。そうなると欠かせないのがサングラス。ファッションとしても、紫外線から目を守る道具としてもマストな外出時のアイテム。センスのいい大人たちはこの夏、何を掛けるのか? お気に入りの3本を見せてもらう。
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菊地 亮=取材・文


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