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【1本目】音楽カルチャーを感じるブランドの虜

A.D.S.R.の「LOU01」
コスパとデザイン性を両立させるA.D.S.R.の「LOU01」。
日本発アイウェアブランド、A.D.S.R.がほかのアイウェアブランドと一線を画すのは、背景にストリートを軸とした多様なカルチャーの匂いがするから。なかでも音楽との関係はコレクションのテーマにも設けるほど密なもので、そこからインスピレーションを得たクールな佇まいに神谷さんも魅了された。
「A.D.S.R.は、コスパ的に手にしやすかったのもありますが、やはりデザインが好きですね。若い頃からすごく惹かれていましたし、結構持っていました」。

今でもその熱は失われず、共感できるところも多い。最近よく掛けているのがコチラ。
「まん丸だと個性が前に出がちですが、これはボストンに近いラウンド。この絶妙な形が普段使いを可能にしてくれるのかなと。何より、抜群に軽いので、毎日でも掛けられます(笑)」。
 

【2本目】’90年代ヒップホップに思いを馳せた一本

ブランの「B0023」
グッチの「GG2452」が醸す’90年代カルチャー。
今後の活躍が期待される若手クリエイターの彼だが、実は「’90年代のヒップホップが好きなんですよね」と、我々同様の目線や感性も持ち合わせている。
「リアルに体験したわけではないですけど、僕のなかでも’90年代のカルチャーはとても魅力的に映ります。実際、テーマにも取り上げてコレクションを作りましたし、そのとき気持ち的にも’90年代へ寄せたいと思って、このサングラスを購入しました」。

悪そうな奴は大体友達かはさておき、オーシャンズ世代に“ヒップホップ育ち”は多い。
確かに’90年代は、ヒップホップが文化的にも商業的にも将来性のある音楽として見出され、メジャーへと一気に躍り出た時代である。このグッチのサングラスは、確かに当時の空気を感じさせる。
「洋服全体のサイズ感におけるメリハリに合わせて掛けています。なんとなく、ビギー(ノトーリアス・B.I.G.)のようなテンションですね(笑)」。
そのテンションに共鳴するオッサンたちは多いんじゃないかな。
 

【3本目】ビースティ風だけど新鮮なスクエア型

グッチの「GG2452」
ブランの「B0023」はビースティ・ボーイズを彷彿させる。
「ずっといい感じのスクエア型を探していたんですよね。ボストン型やウェリントン型と違って、今だとそこまで選択肢も多くはありません。そんななかでも、これはもうフォルムがドンピシャ。即購入してしまいました」。
神谷さんの3本目。それはまさしく、今は亡きビースティ・ボーイズのアダム・“MCA”・ヤウクを思い起こさせるような、どこか懐かしくも洗練された佇まいである。
そして今、もっともお気に入りのアイウェアブランドであるブランの作品であることも彼の背中を押したよう。
「鯖江市の職人の熟練技が素晴らしい掛け心地を作り上げています。それでいて、デザインがどこかコンテンポラリー。スクエアと聞くと今っぽくないようにも思いますが、これはどことなく懐かしさを匂わせつつも洗練されていて、絶妙なんです」。

まさに、過去と今を自由に行き来する、柔軟な神谷さんならではのチョイス。音楽とファッションが結びついていった時代をドンピシャで過ごした我々にとって、どこか響くところがある3本だ。
「夏のサングラス3本勝負」とは……
いよいよ到来、ギンギンぎらぎらの夏である。そうなると欠かせないのがサングラス。ファッションとしても、紫外線から目を守る道具としてもマストな外出時のアイテム。センスのいい大人たちはこの夏、何を掛けるのか? お気に入りの3本を見せてもらう。
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菊地 亮=取材・文


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