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使うことで育つ楽しみ

大工の道具入れをイメージしたカーペンターエプロン。飾り気のない佇まいがクール。
嶋﨑さんの考える男性用エプロンの条件としては、耐久性の高さが鍵を握る。タフなワークウェアが男に支持されるのと似た理屈だ。同時に、一般的な服以上に実用的なアイテムとして、“使う”ことで育つ楽しみがあるようだ。
キッチンエプロンは、ワッフル素材のタオルをモチーフにアイデアを起こした。
「機能的で長く使えることが前提ですが、台所に立つうちに汚れたり、ときには焦げたり。そういった変化が味となり、独特の雰囲気や重厚感が出てくる。その過程も、着用者ならではのものとして特別な意味を持つでしょう」。
酒屋エプロンと題したこちらは、廃船の帆をリサイクルした「帆前垂れ」という日本の伝統的なエプロンがベース。
服であり道具であり、着用者そのものとさえ言えるエプロン。だからこそ男には男の、あなたにはあなたのエプロンが必要なのではないだろうか。
嶋崎隆一郎●デザイン会社勤務を経て無印良品のメンズデザインを担当。独立後は自身のブランドで東京コレクションにもデビューした。2008年に男性用のエプロンを考察した左の『男のエプロンの本』(文化出版局刊 ※現在は絶版)を上梓。ほか、『男のシャツの本』『男のコートの本』(ともに文化出版局刊)など著書多数。
鈴木泰之=写真 増山直樹、菊地 亮=文


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