足で探すを地で行く「走るバイヤー」
バイヤーという職業柄、買い付けのため国内外に出張する機会は多い。
「もともと街を歩き回るのが嫌いじゃないんですよね。海外での買い付けでもタクシーには乗らず、基本は自分の足で回ります。街を知るにはそれがいちばんですから」。
海外は特にウィンドウディスプレイが面白いし、マーケットなどの露店が賑わいを見せていることも少なくない。
「だから、時差ボケに負けず朝早く起きて走るようにしています。それが実は業務上のリサーチにも繋がっていて、例えばメキシコに行ったときは、オアハカでのランニング中に見つけた現物をそのまま買い付けたこともありました。バイイングに直結するとてもいい趣味というか、習慣になっています」。
乗り物で移動していると気付けないフィジカルな出会い。それがランニングの良いところなのだ。
最後に、ランニング中に聴く“耳の友”は何かを聞いてみた。
「走るときはインターネットで1週間分のラジオ番組が好きなタイミングで聴けるラジコを使います。よく聴くのはTBSラジオの『アフター6ジャンクション』。ライムスターの宇多丸さんがパーソナリティを務める番組で、映画・音楽・本・ゲームなどさまざまなカルチャーに触れられるのが良いですね」。
新しい出会いに貪欲なバイヤーらしいチューニング! 「ランニングって退屈だ」なんていうのは誰かの勝手な思い込みで、山本さんにとっては好奇心を刺激するための欠かせない手段になっているのだ。
RUNNER’S FILE 13 氏名:山本慎 年齢:32歳(1987年生まれ) 仕事:エディフィス バイヤー 走る頻度:週5日、40~60分程度 記録:レースへの参加はなし |
連載「Running Up-Date」一覧へ「Running Up-Date」ランニングブームもひと昔まえ。体づくりのためと漫然と続けているランニングをアップデートすべく、ワンランク上のスタイルを持つ “人”と“モノ”をご紹介。街ランからロードレース、トレイルランまで、走ることは日常でできる冒険だ。
上に戻る 礒村真介(100miler)=取材・文 小澤達也=写真