【1本目】サーフィンの相棒はウッドフレームで
nicoさんは根っからのサーファー。波乗り歴はすでに20年以上を数える。時世柄、最近こそ行く回数は減っているが、いつもなら時間さえあれば波と戯れるべく車を走らせるのが日課だ。
そして、「サーフィン時の相棒は、やはり機能的で掛けても苦にならない一本がいいですね」と話す彼の手には、常にカリフォルニア発のブラックフライのそれが握られている。
「手頃な値段で手に取りやすいのもありますが、最近はデザインも洗練され、洒落たものも多いんです。だから、つい毎年買っちゃいますね」。
数あるなかでも特に活躍しているのが「フライ ノーウッド」。これがまた実用的で見た目の良さも相まって登板回数は他の比ではない。
「これは偏光レンズが搭載されていて、波のコンディションを見やすいんですよ。しかも、手に取るとより実感できますが、非常に軽い。モデル名よろしく、この都会的なウッド調のセルフレームがサーフィン後の行動範囲を広げてくれました」。
【2本目】キッカケは、ある夏に経験したトキメク出合い
サングラスの魅力を「自分の世界が作れること」と説くnicoさん。外へ出かけても、サングラスをかけることでプライベートな空間ができ、自然とリラックスできるという。
20本ほどを所有する彼のコレクションのなかには、あのサングラスの御大も当然のごとくラインナップ。しかし、その姿は明らかに定番とは一線を画す、なんともハッピーなヤツである。
「ウェイファーラーらしいレトロなブラックと、ギラギラの太陽に映えること間違いなしのトロピカルな水色のフレーム。こいつの良さはもう配色につきますね」。
しかも、水色をフレームの内側に配しているところがまたニクい。年を重ねるほどに鮮やかな色のサングラスには二の足を踏んでしまいがちだが、これなら“アリ”。外したときに見せるその茶目っ気は、大人のさりげない遊び心を表現するのに打ってつけである。
「音楽フェスでこれを掛けていた女性がいて、その瞬間にもうひと目惚れしてしまいました。……え? もちろんサングラスに、ですよ(笑)」。
こんな幸運な出会いもまた、夏ならでは?
【3本目】掛けるだけでモチベーションアップ
ブラックフライ、レイバンに続くラストもアメリカから、あの名門がお目見え。
確かにサングラスは陽射しを遮る道具である。ただ、今では男をアゲるファッション小物としての側面のほうが強いかもしれない。3本目となるこのトム フォードのサングラスに、それを実感させられた次第だ。
ブランドの象徴ともいえるTパーツやブリッジの一部をゴールドであしらったその様は、実にゴージャス。ツーブリッジをメタルとプラスチックの異素材コンビで表現するあたりも、世界で最も男性をセクシーに見せるブランドの面目躍如といったところか。
「店頭で試し掛けをしたところ、最高にフィットして一発で気に入ったのですが……いいお値段、するじゃないですか(苦笑)」。
一度はその場をあとにして帰宅したものの、しばらく悩んだ末に諦めきれず再訪。購入に至った。
「これをかけると、高級感が漂い、自然と気分が高揚してきます。ちょっとした優越感に浸れますし、こいつでコーディネートするだけで1日のモチベーションも上がります」。
この気持ち、同世代の大人たちならきっとわかるはず。
「眉毛が隠れるかどうかで印象も変わってきます」とサングラス選びにもこだわりを見せるnicoさんが選んだ3本。こんな相棒たちがいれば、海、山、街とあらゆるシーンで存分に楽しめそう。このラインナップは、アクティブな大人たちにとっていい羅針盤になるのでは?
「夏のサングラス3本勝負」とは……いよいよ到来、ギンギンぎらぎらの夏である。そうなると欠かせないのがサングラス。ファッションとしても、紫外線から目を守る道具としてもマストな外出時のアイテム。センスのいい大人たちはこの夏、何を掛けるのか? お気に入りの3本を見せてもらう。
上に戻る 菊地 亮=取材・文