『サファリ』アフリカで繰り広げられる「トロフィー・ハンティング」とは? 獲物との距離を詰め、ハンターはスコープを覗き込む。草原にライフルの発砲音が響き渡る……。人間の業と欺瞞に、鬼才ウルリヒ・ザイドルが切り込んでいく。 © SUNNY FILM最後は’16年に公開され世界を震撼させた問題作、『サファリ』。裕福な白人たちが合法的にアフリカの野生動物を狩猟するレジャー、“トロフィー・ハンティング”に同行したものである。
「トロフィーは戦利品という意味で、動物の剥製のこと。ハンターたちが仕留めた動物は、現地のガイドたちが皮を剥いで剥製にするんです」。
© SUNNY FILM本作はナミビアで撮影。ドイツ、オーストリアからのハンターたちと、ハンティングロッジを経営するオーナー、そして現地のガイドたちの姿を映し出す。
「カメラワークが実に秀逸。でっぷり太った白人夫婦が日光浴しているところを、正対で、少し引き気味に撮る。人間の卑しい部分を映像として見事に捉えている」。
© SUNNY FILM裕福な白人たちは、おしなべてコロニアル調のサファリウェアを着こなしている。その姿を見ていると、植民地時代の白人のスタイルに自分たちを重ねているようにも思える。
「仕留める動物によって料金が違います。アンテロープ(ウシ科の動物)はいくら、シマウマはいくらと料金表がある。トロフィー・ハンティングは現在、アフリカ諸国の一大観光資源。いろんな意味で、重い現実を見せつけられる映画です」。
有田浩介●1979年、米テキサス州ヒューストン生まれ。大学で国際取引法を先行したのち、レコード会社でアーティスト・プロモーションの仕事に携わる。フリーランスの映画PRを経て、2019年にサニーフィルムを設立。世界中からドキュメンタリーを発掘し、配給する。
加瀬友重=文