写真は袖をずらしているからわかるが、着ているときはほとんどわからないし、誰にも見えない。左袖下にブランド名、Phingerinの文字があるとは。「無地なようで、無地じゃない」と小林さんが言う、フィンガリンの定番Tシャツである。 きわめてシンプルだが、リブで切り替えた肩部分の仕立てがデザインとして利いている。オールドホワイトと名付けられた、味わいある後染めの色みもいい。ハンドメイドよりも繊細で注意の行き届いた“Finger made in Philosophy”。そう、ブランド名はその哲学を表した造語であり、この一枚はそれを如実に表しているのだ。