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「君の瞳に乾杯」の台詞が有名な『カサブランカ』でのハンフリー・ボガート。
「君の瞳に乾杯」の台詞が有名な『カサブランカ』でのハンフリー・ボガート。アクアスキュータムのコートにボルサリーノという、ジェンツのお手本的装い。 © AP/AFLO
「古い洋画はいつもインスピレーション源になっています。昔の紳士は外ではいつもハットを被って、トレンチやバルカラーのコートを着ていたりする。それは雨の日でも変わらず。
マーロン・ブランド、ポール・ニューマンなどもその印象が強く、ハンフリー・ボガートの映画『カサブランカ』には豪雨のシーンがありました。自分が好きなそういう時代のスタイルに、今の技術を取り入れてみようと思ったんです」。
そんな発想から生まれたのが、このコートというワケだ。
「僕も雨の日にはレインハットを被ることが多いので、フードはなし。それでも首から風が入ると寒いときもあるので、チンストラップ付きのスタンドカラーを選びました」。
機能面については、ゴアテックス プロを使った第1弾とは異なり、今回は裏地を用いず透湿性を高めた2層構造のゴアテックス パックライトを選んでいる。
「春夏なので、軽さにこだわったのがその理由。畳んで持ち運べて気軽に羽織れ、雨がやんだら水をパッと払ってまた畳める。街着にも旅にも、こういうレインウェアがあると便利ですよね」。
もちろん、その知恵は日常生活にも活きてくる。足さばきを良くするために着丈は短く、手ぶらで行動できるよう、フロントには大容量のポケットを装備。
銀幕のダンディズムに倣って、コートと帽子で雨避けを。“水も滴るいい男”なんて昔の褒め言葉があるが、現代に置き換えてみてもなるほど、一理ある。このコートは、なんだかそんな気持ちにさせてくれる。
「キャプテンサンシャイン」デザイナー
児島晋輔さん Age 44
1976年、兵庫県出身。ファッション誌の編集者を経て服作りをスタートし、2013年にキャプテンサンシャインを設立。古着にも精通していて、モダンクラシックなスタイルがお家芸。
 
山本雄生=写真 松平浩市=スタイリング 今野 壘=文


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