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突き詰めて到達した反体制的サステイナブル

サステイナブルな無地Tシャツ/テクスト
1万2000円/テクスト(パーキング 03-6412-8217)
TEXT テクスト
「日本でサステイナブルなことをやるのは、反体制だと思う」。かつてオーシャンズの取材においてテクストのデザイナー、石川俊介さんが語った強い言葉だ。
国連が定めるSDGsの促進が叫ばれる中で、ファッション産業がそれに後れをとっていることに強い懸念を抱いた石川さん。マーカやマーカウェアといった自身のブランドでも実践し始めていたサステイナブルの追求であったが、テクストはよりそこに特化させ、そのメッセージを発信している。
Tシャツに使用するのは、ペルー産のオーガニックコットン。ポイントは、その安心できるクオリティにあるという。オーガニックコットンの重要な基準のひとつに、NON-GMOというものがある。これは、遺伝子組み換え作物でないという意味。遺伝子の組み換えが直接的に人体や環境に与えるダメージは明らかでないものの、GMO種子に適する除草剤は、その健康被害から提訴されている点は事実。

また、GMO作物が普及する土地でのNON-GMO作物については、生産者も知らぬうちに両者が交配してしまっている可能性も否定できないのだ。そんななかでもペルーは、2011年よりGMO作物の栽培が禁止されているうえ、種の保存も重視されている安心な国。
実際、オーガニック食品大国として世界的に知られている。使用する農場のコットンは綿花がはじけた順に手摘みされ、こうした背景から生まれたペルー産の超長綿は、適度に油分を含んだ、コシのある仕上がりとなる。これを60番手の双糸に引き揃えて、32ゲージの丸胴編み機を用い、度を詰めて編み立てた。
インナーとしてもちょうどいい厚みで透け感も回避。そのあたりは、実績ある石川さんのクリエイションという担保もある。今や誰もが目を背けることのできないサステイナブルを直視するなら、スタイリッシュな服で貢献するという選択肢を視野に入れておきたい。
 
清水健吾=写真 菊池陽之介=スタイリング 加瀬友重、髙村将司、いくら直幸、秦 大輔、今野 塁、菊地 亮=文


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